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ドクター・ストレンジ

ドクター・ストレンジ

 映画を見て参りました。
 見た映画は「ドクター・ストレンジ」



【ストーリー】
ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、天賦の才能を持つ脳外科医として名をはせていたが、ごう慢さが玉にきずだった。彼は地位も名誉もリッチな生活も手に入れていたが、交通事故によって全てをなくしてしまう。神の手と崇拝された両手の機能を取り戻すため、高額な治療を繰り返すが……。


評価:
B-

 というわけわけで見てまいりましたドクター・ストレンジ。
 すっかりと大きな規模で展開されております、MARVEL STUDIOの誇るMCUの1編でございます。ロゴもすっかり色気づいて、過去のMCU映画のあのヒーローやこのヒーローがちらちらと出てくるのです。前回は多分シビル・ウォーだったはずなので、この新ロゴは今回からでしょうね。ぱっと見えたのは、アイアンマンハルクキャップブラックパンサーブラックウィドウスターロード、かな。ちゃんと見たらまだ見つかる気はしますが、まだまだ店じまいをする気は毛頭ない、MARVEL STUDIOの新作であります。

 んで私は、このドクター・ストレンジというお話を知らなかったのですが、とりあえず知らないまま見てきました。普通の人は「ドクター・ストレンジ」まで聞いたらそのあと「ラブ」が続くはずですからね。
 んでちょっと今調べたら、シュマゴラスが出てきたコミックだったのね。日本では多分ドクター・ストレンジ本人よりも、シュマゴラスの方が有名だよ。
 そんな、異常な愛情に間違われそうだったりタコみたいな異次元の神に存在感を食われたりで、色々パっとしないドクター・ストレンジさんでございます。

 とりあえず見終わった直近で率直な感想ですが、「これだけ大作のアクション映画がばかすか出ている中で、更にこれだけの絵を見せてくれるのは非常に素晴らしかった」といったところでしょうか。
 その部分にはついては、非常に突き抜けており、純粋に評価すべきだと思います。
 ただ同時に、それ以外の部分に対して、完璧でない部分も見え隠れするのです




 まず褒める部分からしっかり褒めていきましょう。
 絵面は大変良かったです。
 主に魔術が絡まったあとの、世界の描き方。重量の方向が入れ替わる、床や壁が激しく動作する、別の空間とつながりそこをまたいでアクションが展開する、時が巻き戻る中でアクションが展開される、などなど、今までありそうでなかったシチュエーションでのアクションがてんこ盛りです。強いて言うなれば、インセプションに画的なテンションは近いでしょうが、その上で更に動的なアクションを展開しており、更にインセプション以上に不可思議で、一見何が起きているのか理解し得ない不思議空間は、見る人を捉えるには十分ではなかったでしょうか。
 実際、ニューヨークでの戦闘の絵面など、「何がどうやったらそんなことになるの!?」というくらいに、様相を変えています。巨大なビルが無限の空間の一要素に取り込まれることで、気が遠くなるほどの巨大さに放り出される。その感覚は、私個人としてはとても好ましいものなので(巨大建造物大好き)、それを絵面にしたことは非常に評価が高いです。
 巨大さだけでなく、せわしなく動き出す建造物の描写も素晴らしい。まるで、過度に複雑に絡み合った歯車のような「機械感」もまた、非常に浪漫があるのです。
 重力表現は言わずもがなですが、その状態で空間をまたいだ結果、重力の向きが変わるという、当たり前といえば当たり前なのですが、それをちゃんと描写してることが物語内の行いにリアリティをもたせるのです。
 あとは、「巻き戻る時間の中でのアクション」ですが、これはもうそれ自体が目新しいので、その時点である程度合格でしょう。

ドクター・ストレンジ

 さて、こんなところが褒めるべきところですね。
 この次は、ちょっと苦言を呈していこうと思います。
 と言うか、褒めるところが全て「映像」に占められていた時点で、それ以外のところは「残念なんだな」と察しがつくのではないでしょうか。

 ドクター・ストレンジの性格描写は特に問題がなかったです。ヒーローになっても引き続き傲慢でありますが、アメコミならそれもありでしょう。その上で「人の命を救うために医者になった」という信念は引き継がれているわけですので。キャラクターたちも魅力的に描けています。
 行けないのは、ストーリー。
 盛り上げどころで盛り上げられないという、結構大きくて致命的な弱点を抱えているのです。
 確かに絵は素晴らしい。それだけである程度テンションは上がります。でも、そこに至るまでの、物語的な起伏が非常に乏しい
 ストレンジが事故で両手にダメージを負う、という派手なシーンのあと、流れとしてはストレンジはエンシェント・ワンに弟子入りをし、戦いに巻き込まれていくわけですが、その間に実力を身につけるための「挫折」や「葛藤」はあまり描かれないのです。エベレストから生還した後は、知らない間にメキメキと実力を身に着け、いろんなことをなんでもできるようになっている。本来の実力が開花した、という表現もできるにはできますが、そこをしっかりと書いてくれないから、なんとなく何もしないで強くなったような印象が強い。言わばここはヒーローがヒーローとしての自らを認識するための道程であるわけです。スパイダーマンなら、自分の能力に溺れてやりたい放題やっちゃうところです。もちろん、ストレンジは分別のある大人であるはずなのではっちゃける必要はありませんが、その「ヒーローとしての力を身に着けた後の全能感」は、脚本の中でしっかり描いてほしかったな、と思うわけですよね。
 そしてそれ以上に、カエシリウスの襲撃シーンが、物語的に弱い。画は確かにいいのですが、彼らが何故襲撃してきたのか、その襲撃の結果どんな大変なことが待ち受けているのか、あんまり理解されるような描き方ではなかったように思います。なんとなく攻めてきて、攻めてきたから守ってる、という感じ。
 香港の襲撃に際しても、「なんとしても香港は守らねばならない!」というのを、もっと物語の中で印象づけないと、やはり唐突感が出てしまうわけです。

ドクター・ストレンジ

 そして、一番良くないのが、物語の「解決方法」。言わば「ラスボスとのバトル」です。
 時間を超越する、というヒントを得たところまではいいでしょう。直前で時間を操る能力を使ったのですから、そこに考えが至るのは自然です。
 ただそこで用いた結論が「敵のボスに対して、時間を無限回繰り返して無限回嫌がらせをする」ということ。
 いやまあ、効果的ではあったんだけどさ……そういうことじゃないんですよ
 そもそもからして、直接戦っていたカエシリウスではなく、その彼が呼び出そうとしていた神的な存在を「説得」することで事態を収拾しようというのも、どうにも派手さが足りないし、その方法が力技でぶつかるでもなく、「根負けするまで嫌がらせをした挙句に説得する」というのも、どうにもなー、と。
 ラストバトルが「劇的」である印象もなければ、その神的存在が「強大」である印象もない。かと言って、「時間を無限に繰り返せる」という、冷静に考えたらチートこの上ないストレンジの能力も、非常に矮小化されて理解されてしまう
 という、まさしく「誰も得しない」展開になってしまったのです。この非常に弱い展開を、物語の最終盤、ラストバトルに持ってきてしまったものだから、全体が非常に残念になってしまったのです。ましてここの無限回説得シークエンスでは、直前の香港やその前のニューヨークでの戦いにあったような、派手なビジュアルは一切なかったですからね。

 そんなわけで、褒めるべきところは突き抜けて褒められるのに、残念な部分が無視できないくらい残念だったため、全体の印象が悪くなってしまっておりました。せめてその弱いシークエンスが中盤にあり、最後に派手なバトルがあれば印象も変わったのでしょうが。
 決して駄作ではありません、見るべきところはたくさんあります。
 ただそれでも全体の印象が良くないというのは、物語は難しいという好例なのでしょうかね。

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