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ラスト・ナイツ

ラスト・ナイツ

 映画を見て参りました。
 見た映画は「ラスト・ナイツ」



【ストーリー】
狡猾(こうかつ)な政治家が台頭し、戦士たちが追いやられようとしている帝国。ある日、強欲な大臣から賄賂を要求されるも、それを断った上に彼に刀を向けたバルトーク卿(モーガン・フリーマン)が反逆罪に問われるという事件が起きる。その後死刑判決が下され、自身のまな弟子であった騎士ライデン(クライヴ・オーウェン)の手で斬首されてしまう。1年後、ライデンは酒に溺れる毎日を送り、ほかの騎士たちも刀を捨てていた。だが、その裏で彼らは主君バルトークの敵を討ち、堕落した権力者たちへ報復する計画を進めていた。




みんしーやん的評価:
B-  旧点数:70点⇒30点⇒55点⇒62点くらいで決着

 見たのはずいぶん前ですが、文章に起こすのに時間がかかってしまいました。

 以前、バラエティ番組に紀里谷監督が出ていたわけですよ。それも芸人枠ではなく、一端の文化人枠としてです。
 文化人ってなんだ。そんな根本的な疑問はとりあえずおいておいて、その人がどんな人間なのか、このバラエティのスタッフは分かっているのか、ということですよ。分かっていない、ということですよ
 まあ、今のバラエティ番組に倫理観なんてものを持ち出しても仕方がない話だと思いますけどね。小金を稼ぐためには、犯罪者だって紀里谷和明だって池上彰だってテレビに映すわけですよ。そんな人間に倫理を説いたところで、それこそ聞く耳なんて持たないわけです

 まあこの後いろいろ書いて、脱線しまくったので全部消したわけですけれども、要は紀里谷監督が出ていたのはこの映画の宣伝だった、ってことなのです。

 でまあ、観た感想です。

 前情報などを極力排した(興味もなかった)状態で見たところ、思ったよりも楽しく見れる作品でございました。これが、あの「キャシャーン」を撮った紀里谷監督の作品かと、驚いたものでございます。
 もちろん完璧な作品などではなく、所々ノイズとなる部分も多く、そして中には看過できないマイナスもあるわけですけれども、それを考慮しても、十分及第点を与えていいのではないでしょうか。

 と、いうのが、映画館を出てすぐの感想です。

 そしてこのレビューを書くにあたり、歩きながら情報を整理しておりますと……。
 あれあれ、よくよく考えると、この映画、実はそこまでは立派な作品ではなくない? という所に到達してしまいました。
 見た瞬間は、映画の叙情的な雰囲気にも引っ張られてそこそこ見られる映画には思えたのです。いや、たぶん実際そうなんでしょう。ただよくよく考えながら分析すると、色々と気になる点が目立ってきてしまいました。

 ちょっと、箇条書きに洗い出していこうと思います。

【ストーリー】
(`・ω・´)安っぽいメッセージもないし、全体的に一つのテーマに向かって進んでて面白いんじゃないですか!

(´・ω・`)でもこれ忠臣蔵のストーリーそのまんまで、あまりアレンジがされていない……。

 確かに、復讐譚ということで盛り上がるは盛り上がるのです。主君に対する忠義なんかもしっかり描かれてます。詳細な描きこみはされていませんが、ライデン隊長のすさんだ過去と、それを救ったバルトーク卿の絆なんかも十分伝わります。その基本的な面白さの分は、十分確保されていると思います。すわ決起!という段階では、さすがにいやが上にも盛り上がりますしね!
 でもそれは、既に元々世にあって、ついでに言えば何度も何度も、果てもなく繰り返し戯曲化されたストーリーなわけで、目新しさという点は皆無です。架空の中世にそれを仮託しても、知ってる人、そしてそんなに知らない人が見ても、「あ、忠臣蔵だ」って分かるくらいには、類型化されたストーリーだと思います。
 もちろん、だからダメ、ってことではないんですけどね。類型化されてるってことは、それだけ普遍的な面白さを内包しているから、類型化されるわけです


【ビジュアル】
(`・ω・´)あの現実感のないCG世界観がなくなった!

(´・ω・`)いや、でもあれがおかしいだけで、普通に戻っただけだな……。

 キャシャーンに代表される、あの書き割り然としたCG世界観はすっかり鳴りを潜め、多分に抑えられた、自然な世界がそこにはありました。
 あの書き割り然とした世界も、きちんと表現できるならそれはそれで素晴らしかったのでしょう(ちゃんとやれるなら、寧ろ個人的には嫌いではない)が、非常に鼻についていたということは、まあきちんと表現できていなかったということでしょう
 それが完全撤廃されたのは(予算による問題が大きいだろうとは思うけど)十分な進歩だと思います。
 ただ、それってマイナスがゼロになっただけで、そのこと自体はプラスと評価できるほどのものではありませんでした。で、結果出来上がった画は、そこまで新鮮なものではありませんでした(世界観を十分表現できているとは思います)。


【アクション】
(`・ω・´)地に足がついたアクションで、安心してみていられる!

(´・ω・`)でも目新しいものではないよね、撮り方もごちゃごちゃしててよくわからないし

 そもそも、アクションを前面に押し出す作品ではないので、これはこれでいいのかも知れません。そもそもがアクションに比重を置かれる作品ではないのでしょう。
 ただ、終盤の決起が始まった頃からアクションの比重が当然増えていき、そこでのアクションの描き方が、それほどわくわくしなかったのがな、と。


【演技】
(`・ω・´)表情で演技ができる役者を取り揃えている、映画としてみられる!

(´・ω・`)いや、でもそれ当たり前のことじゃん……

 そりゃ、モーガン・フリーマン使って演技で文句はでないですよ。当たり前じゃないですか。そして、演技で文句が出ることが、そもそも当たり前じゃないわけですよ。
 ただ、これについては、紀里谷監督の責任(あるいは功績)はないと思います。日本の映像演劇に対する「俳優」のモラルとクオリティの問題であるだけです。


【マイナス点】
(`・ω・´)バルトーク卿の演説とか、処刑の直前とか、最後とか、全体的に間延びして感動げなBGMを垂れ流している箇所が多すぎ……。

(´・ω・`)バルトーク卿の演説とか、処刑の直前とか、最後とか、全体的に間延びして感動げなBGMを垂れ流している箇所が多すぎ……。

 演説ぶち込むあたりが非常に「キャシャーン」っぽかった。冗長で間延びした演出も然りね。てことは、このあたりに作家性が出ているってことなんですかね。


 そんなわけでして。
 プラスに思えたところが整理整頓されて、結果もとから目立ってたマイナスだけが残ってしまいましたとさ。
 ちょいちょい、強く糾弾するのはちょっと可愛そうだなぁ、と思える箇所もあるので、それを差っ引いたらそこまでこけ下すような問題ではないのかもしれません。
 (寧ろ、冷静になって問題を洗い出していたら、そこまで悪く言い切れなかったから、実は上手くまとまった作品なのではと思い直している)
 ただ、これは「紀里谷和明監督作品」という、ハードルが極限まで下がり点数が甘々になっている状態での評価でしかないでしょう。これをクリストファー・ノーランがやったら、びっくりするくらい評価は低くなっていたはずです。「インソムニア」くらいに!

 あとは、そこを考慮しないとしても、映画としては無難でそこそこかもしれないけれども、決して突出した作品ではないです。
 となると、じゃあ監督はいったい何をしたの? ってなります。
 プロットは忠臣蔵そのものなんだから、ここにオリジナリティはない。感動が喚起される話でもない。
 アクションも目新しいわけではない。
 絵も、それほどフレッシュではない。
 間延び演出も、確かにマイナスではあるんだけど、正直それすら見飽きている。

 「キャシャーン」と比べて駄作ということはないでしょう。映画としては鑑賞に堪えうるものです。
 でも、そこには特別なものは何もない。ただただ「無難」なものが並んでいるだけに過ぎない。
 確かに、映画としては「キャシャーン」よりもよっぽどクオリティは高いと思う。
 この作品が、シャマランにおける「ヴィレッジ」と同じような立ち位置で(ヴィレッジは嫌いじゃないんだけどね)、紀里谷監督個人のターニングポイントとして語られることはあるかもしれないけど、少なくとも、日本の映画史に確固として刻まれるのは「キャシャーン」であって、この作品は多分、記憶からも忘れられるような作品になるのではないでしょうか
 ライムスター宇多丸が彼を「日本のエド・ウッド」と評したのならば、「あふれるパッションとかみ合わない才能」こそが彼のパーソナリティであり、愛される可能性のあるべきところでもあると思うのに、この作品ではそれがなくなり、ただ無難な、ただ普通の作品になってしまった。「キャシャーン」は、いろいろあっても彼にしか取れなかった。ラストナイツは、他の誰かでも撮ることは、きっとできる。
 そういう意味では、これをキャシャーンからの退化と位置付けてもいいのではないでしょうか。

 もちろん、映画のキャシャーンは大嫌いですけどね。

 あとは、この作品がここまで「鑑賞に堪えうる」作品になったのは、おそらく洋画というベースに乗っかったからだと思います。
 端的に言えば、「日本の俳優を使わなくて済むようになった」(一人目立つところにいたけど)ことだと思う
 この問題に無自覚である以上、日本の映像演劇の未来はないし、ないというか、その結果として、今はもうなくなってしまったという、過去形でのみ語られる事態になってしまったのではないでしょうか。


 点数は、映画館を出てすぐの点数⇒やっぱりよく考えたら面白くないや!⇒まあでも、よく考えてないときは楽しめたからな、という並び。
 インプレッションって大事ですからね。

 うむ、まとまりの悪い文章。
 お勧めはしませんが、人間が成長する過程を見ておきたいのなら、レンタルで見てもいいのではないでしょうか
 おわり!

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