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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー



 映画を見て参りました。
 見た映画は「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」



【ストーリー】
帝国軍の誇る究極兵器デス・スターによって、銀河は混乱と恐怖にさらされていた。窃盗、暴行、書類偽造などの悪事を重ねてきたジン(フェリシティ・ジョーンズ)は反乱軍に加わり、あるミッションを下される。それはデス・スターの設計図を奪うという、困難かつ無謀なものであった。彼女を筆頭に、キャシアン(ディエゴ・ルナ)、チアルート(ドニー・イェン)、ベイズ(チアン・ウェン)、ボーティー(リズ・アーメッド)といったメンバーで極秘部隊ローグ・ワンが結成され、ミッションが始動するが……。


評価:
A

 というわけで見てきましたよ! ローグ・ワン!
 以前のフォースの覚醒の時にも言いましたが、私はスター・ウォーズが大好きなのですよ。当然これもウキウキしながら待ち受け、そしてウキウキしながら見ましたよ。
 スター・ウォーズのエピソード4「新たなる希望」に接続するストーリーだということで、あのデス・スターの設計図をいかにして同盟軍が手に入れたか、ということが描かれる話なのです。
 エピソード4を始めて見た時、どこに一番インパクトを受けたかというと、あのオープニングなわけです。字幕でストーリーが流れる、それがはけるとカメラがパンして、惑星を映す、そこに画面手前からやってくる、一見巨大に描かれる宇宙船、それを追いかけるように画面に入る、更に巨大なスター・デストロイヤー。あのインパクトは幼き自分には、映画という文化に自分を引き込むには十分たるものであったのです。
 その、まさしく宇宙船が飛び出し、スター・デストロイヤーが追いかける、その瞬間までを描く映画なのです。自分はこんなに近々まで描くとは思っていなかったので、ラスト少し前にスター・デストロイヤーが出てきた時に「おおっ」となりました。
 そんな、大好きなスター・ウォーズの、大好きなエピソード4に連なるお話。勿論、楽しむことが出来ました。トータルでは面白いと言っていいでしょう。
 しかし、決して不満もなくはないのです。不満はないけど、トータルで+になると、そういう作品だと思うのです。











 というわけで、ネタバレをがっつんがっつん挟みつつ、色々散発的に書いていこうと思います。

 とりあえずは、不満点から少しずつ書いていきましょう。
 先程も言った通り、不満はあるのです。決して100点満点ではない、全てに満足できる作品ではないのは、事実として受け止めなければならないと思います。


不満点① 心境の変化がわかりづらい

 1番目にして、最も大きい不満がこれです。
 父親がデス・スターの設計者であるジン。彼女を中心に物語は巡るわけですが、彼女は物語が開始した時点で、孤独であり、心を閉ざしているのです。両親とは別れ、養父には置き去りにされ、一人ぼっちで生きていた。その孤独は物語の中でも描かれ、それを利用しようとする同盟軍にも心を開かない。育ての親に再開した時、銀河を救えと言われても、我関せずを決め込んでいる。
 それは全く問題ありません。そうなるのも頷けます。
 でもそれが、父親の死というきっかけ一つで、一気に「銀河を救うんだ」って心持ちになるのが、いまいちしっくり来なかったかなと思います。ましてや、その父親の死は実質的に同盟軍の手によってもたらされたもので、実際それは彼女も分かっているのに、何故急にそれを受け入れ、同盟軍と手を組むことになったのか。そのプロセスがガッツリ省略されているので、全くしっくりこないのです。それまでやさぐれていた女の子が、育ての親と実の父親を亡くしたことをきっかけに、急に聞き分けのいい子になる。
 ここが省かれているので、この人がどんな性格の人間なのかが、結果的に分からなくなってしまうのです。
 フォースの覚醒のレイは、その性格がきちんと描かれていました。日々に困窮しながらもたくましく生きようとし、しかし決して道を踏み外す事はない強さを持っている。そういう性格が物語内でしっかり描かれているのです。フォースの覚醒では、レイの素性はほとんど一切明かされないにも関わらず、彼女は主人公足り得る人間と認められたのは、その性格と素質が主人公足り得るのだと、しっかり物語内で描写されていたからだと思うのですよね。
 ジンにはそれがないから、唐突に人が変わったかのように感じられてしまう
 ここが大きな不満です。単純に、感情移入が妨げられてしまうのですよね。


不満点② 仲間の絆が深まる描写が薄い

 ①と同じような現象だと思いますが、ローグ・ワンの面々が仲間として絆を深めあっていく、その描写がやはり薄い気がします
 最悪、オリジナルメンバー(ジン、キャシアン、K-2SO、チアルート、ベイズ、ボーディー)はまだいいとして、その後キャシアンと一緒に参入した面々が、どうしていきなりそんな親愛度マックスになってるのかが、ちょっと理解できなかった。①にも通じますが、その時点でジンが人を引きつけるようなカリスマを身に着けたように描かれていないから、やはり唐突感が出てしまう。
 そのオリジナルメンバーにしたって、どうして行動を共にしたのかの描写がやはり薄い。正直、行きずりで仲間になり、そのまま道連れになったかのような描かれ方です。きっかけはそれでもいいけれども、それがただのグループから仲間に昇華していく過程が、やはり薄い。チアルートとベイズの関係性だけが強固で納得の行くものであるだけに、この描かれ方は残念です。正直全編を通して、ローグ・ワンの面々が、なんであんなに自己犠牲的な精神を持てるのかに、理解できない部分がありました。


不満点③ 中盤がやはりもっさりしている

 展開の早さといいますか、もう少し色々端折れる部分はあるんじゃないかなー、と思うのです。惑星ジェダでの大脱出や、嵐の惑星(名前忘れちゃった)での攻撃など、見せ場にはしっかりなってるし、そこで起きることはいずれも大事なことなのですが、そこに至るまでに結構ダラッとした展開が続いてしまう。ジェダの市街戦はあそこまでしっかり画作りする必要はなかっただろうし(少し後にデス・スターの攻撃って展開があるわけだし)、嵐の惑星にしても、同盟軍が攻撃を仕掛けるまでに結構時間が経っています。
 これが、見せ場を見せるためだけの繋ぎになっていて、ちょっともっさり感が強かったです。それこそ、ここでキャラクターの描写をしっかりと掘り下げる時間はあったと思うのですよ


 とまあ、不満点ばかりを列挙していきましたが、まあ勿論、いいところはあるのですよ。
 というか、正直今挙げた不満点は、決して拭えないものだし、これが普通の映画ならここで評価マイナス、って事になりかねませんが、今回は違います。
 何故なら、これはスター・ウォーズだからです。過去に名エピソードを生み、連綿とストーリーを連ねる、言わば一つの歴史なのです。結末を知りながら三国志が素直に楽しめるように、歴史から切り取られた1エピソードが楽しめないわけがありません。ずるいかもしれませんが、これはこの映画、スター・ウォーズのスピンオフという時点で獲得している、面白さなのです。それは不評が多いエピソード1~3でも一緒なのです。この部分は面白さだけはしっかりと確立されているのです。


満足点① 僕達が大好きだったあんなメカやこんなメカが出てくる

 エピソード4では、そこに出てくる機械はどれもこれも、使用感溢れるものでした。黒澤明はそれを「汚れがいい」と評価し、実際その使用感は、それが現実にあるように思われました。エピソード1~3では、出て来る機械はどれもピカピカに磨かれたものになっていますが、自分はそれでいいと思います。華やかなりし共和国の時代、平和を謳歌するその時代では、兵器は使用するものではなく、誇示するものであり、美しく磨かれたものであることは、平和な時代を表装しています。
 このローグ・ワンで描かれるのは、エピソード1の直前。まさに戦争真っ只中であり、当然金ピカ戦闘機ではなく、がっつり使い込まれた、無骨な戦闘機がメインに立ちます。
 それがいかんなく表現されています。
 そして、ただ宇宙船の質感だけでなく、背景にある機器が、非常にエピソード4感を出しているのです。
 自分が特に「あ、エピソード4だ!」と思ったのが、以下の2シーン。

ローグ・ワン

ローグ・ワン

 この、背景の緑色のネオンみたいなマップと、デス・スターのよくわからないボタンの類
 双方とも、恐らくエピソード4を撮影した時代でSF感を出すには、常套の手段だったのでしょう。特にデス・スターのボタンとかは顕著だと思います。昔のSFって、たくさんあるボタンをいっぱい触っていた気がします。 それを、このローグ・ワンでもしっかりと表現してくれています。
 それはそうでしょう、なにせエピソード4の時代そのものですから。オビ=ワンはジジイで、ルークは農場で鬱屈な毎日を過ごして、ハン・ソロはジャバ・ザ・ハットのスパイスを捨てて帝国から逃げている、まさしくその頃です。それを的確に表現するなら、デス・スターのコンソールはこうなるはずです。だから、それをこう再現するのは、当然なのかもしれません。
 でも、それを再び、最新の映画で目にするということが、どれほど楽しいことなのでしょう。
 「うわぁ、すげぇボタンある! よくわからんところ動かしてる!」っていう、得も言われぬ感動が押し寄せてくるのです。
 だからもう、デス・スターの攻撃シーンは終始ウキウキでした。あの謎コンソールを動かしてるだけで晩御飯片付きます。と言うか、スター・ウォーズ抜きにしても、あの謎コンソールって、すごく浪漫がありません?
 そして小物でエピソード4感を出していますが、それ以外にも出てくる兵器が心をときめかせるのです。AT-ATとかAT-STが現役で動いているのを見るのは久しぶりですね! 特にAT-ATの「出てきたー!」って言う感じと、「やっぱりそんなに強くないー!」って感じね。

ローグ・ワン

 勿論デス・スターは言うまでもなく。と言うか、今回の話の主人公は、どっちかって言うとデス・スターである気はします。ただの懐かしい小物を超えた、物語の大きなテーマですらあると思うのです。

ローグ・ワン

 こんなもの、過去の遺産だ、古参ファンへの目配せだ、というのなら、たしかにそうかもしれません。でもそこで抱かれる感動というか、「待ってたぜ!」っていう感覚も、また事実なのです。だからAT-ATが出てきたのも素直に喜べるし、「ヤヴィン4で飛び立つ戦闘機を見送る見張りの図」も、何度か挟まれましたが、なんど見てもぐっとくるのですよ。

ローグ・ワン



満足点② ダース・ベイダー&グランドモフ・ターキンが最高

 元々ひねくれた性格の人間である私のこと、そもそも同盟軍はそんなに肩入れしていないのです。それよりも、帝国サイドの突き抜けた悪漢ぶりに、素直にかっこいいと思ってしまうのです
 エピソード4におけるその悪漢の代表たるのは、やはりこの2名でしょう。グランドモフ・ターキン、そしてダース・ベイダー。
 ターキンは、ピーター・カッシングの顔をCGで再現しておりましたね。そんなに長時間でなければ違和感を感じない作りとなると、もう昨今の映画で人間の顔って何なんだろうな、って思ってしまいますよね。サソリの化物の顔がドゥエイン・ジョンソンこと、ザ・ロックになっていて「ううん」と言っていた時代が懐かしいです。
 このターキン、エピソード4の頃から十分悪漢でしたが、その描写はそれほど多くありませんでした。今回は出番こそ絞られていましたが、その悪辣さと、そして有能さをしっかりとアピールしておりましたね。人の成果を奪い取り、その奪い取った兵器でその人間を抹殺するという、最高に悪い人です。子供の頃は、ダース・ベイダーの輝くようなインパクトに目を奪われ、ターキンをただの爺さんとしか認識しておりませんでしたが、大人になると、本当に悪いのはこういう人間のほうだ、って言うことに気付かされるのです。

ローグ・ワン

 じゃあダース・ベイダーが嫌いかって言うと、そんなことは勿論ないじゃないですか。ダース・ベイダーは最高ですよ。ただまあ、ここはもうある種「殿堂入り」みたいなところがあるじゃないですか。今更「ダース・ベイダーがどれだけ素晴らしいか」を語った所で、そんなものもうとっくに語り尽くされたわけですよ。何年し続けた話を、またもう一回繰り返すだけのことになるんですよ
 ただまあ、それでもあえて言わせていただくとすれば、今回のダース・ベイダーは、過去最高に格好が良いです。それこそ、エピソード4に匹敵する、いや、それ以上と言って良い、「強さ」を見せます。
 ストーリー的には、ダース・ベイダー最強時代はオビ=ワンに負ける直前の、五体満足の時代であったことは確定しております。だからエピソード4の時点では、すでに全盛期の力は出せない状態です。そうであるからか、あるいは、物語の都合上か、ダース・ベイダーが「悪い」姿を見せていても「強い」姿はなかなか見せていないのです。オビ=ワンとの一騎打ちは結果オビ=ワンの不戦敗みたいになりますし、ベスピンでのルークとの決闘はむしろルークの弱さが目立った戦いですし、第二デス・スターでの再戦では結果負けますからね。
 無論アナキン時代はもっと比類なき強さを見せますが、あれは正直ノーカウントかなと。
 なので、実質あのスタイルでのダース・ベイダーに対して「うわつえぇぇ」と思わせるのは、このローグ・ワンが一番なのです
 あの狭い通路で、真っ暗で、真っ赤なライトセーバーが伸びてダース・ベイダーがぼんやり写り込んだら、もうこれ勝ち目はないですよ、何したってダメですよ。その「もうだめだー!」感が非常に出ていた。「ダース・ベイダーが本気出したらもう勝てない」っていう絶望感が、非常に心地が良かったです。
 やはり、ダース・ベイダーは映画史上トップクラスのアンチヒーローだった
 それでいて、今作ではそのダース・ベイダーは非常に場をわきまえた登場の仕方をします
 あくまでも今回は脇役。実際に主役であったエピソード1~3、及び、結果的にその贖罪の物語であった4~6とは違い、今回のスピンオフでは、彼は主役ではありません。あくまでも脇役。だから彼の登場シーンは非常に絞られている。実質3シーンにしか登場しない。それでも、エピソード4につながる後半に連れてその存在感はまして行くわけです。まさしく、エピソード4に物語が接続する、その接続部の中心にはいたのです。
 ローグ・ワンという物語が、ジンたちがエピソード4へとバトンを渡す物語だとしたら、その渡されたバトンの先には、ダース・ベイダーという存在がいた。この瞬間に、ダース・ベイダーがクローズアップされ、そしてあの絶望感たっぷりの大立ち回りが生まれるのです。
 この客演っぷりは見事です。故に、色んなキャラクターが並び立つようになったこの現代で、改めてダース・ベイダーが好きになったのです。


満足点③ 単純に最終局面の戦闘が盛り上がる

 これは実に単純明快。物語の終盤に向けて、加速度的に物語が盛り上がっていくのです
 その中心にあるのはローグ・ワン。自らの父親が残したデス・スターの弱点を手に入れるため、命も顧みずに敵地に突入していく。はじめはただの一個中隊だったのが、感化された艦隊も戦いに参加し、やがて壮大な戦いに広がっていく。当然敵となる帝国軍も容赦はなく、AT-ATまで繰り出して全力で叩き潰そうとする。唯一の目的であるデス・スターの設計図を求めて、味方の犠牲をに後押しされながら近づき、やがて目的を成し遂げる。目的を成し遂げても彼らは生還することが出来ず、死という運命を受け入れる。
 それでも彼らの残した希望はしっかりと受け継がれた。データを受信した艦隊に、同盟軍兵士の手に、新たな兵士の手に、レイア姫の手に。そしてそれは、R2-D2を経由して、ルーク・スカイウォーカーの元に届き、それは同盟軍の基地に至り、そして、デス・スターを破壊する。
 今ざっと流れを書いただけですが、もうこれだけで盛り上がる展開であることは明白でしょう!
 正直「犠牲を糧に目的を成し遂げる」系の展開にはあまり乗れない人ではありますが、この展開は良かった。何せ、それがデス・スターを破壊する、その貴重で致命的な一手なのですから。エピソード4で「命がけで手に入れた」の一言で済まされていたものが、これだけドラマチックなものだったことが切り抜かれた、その事実が感動的なのです。
 また、画も大変よろしい。中隊との局所戦から、艦隊戦へと広がっていく戦線が、単純に見ていて面白い。同盟軍がボロボロとやられていきながら、それでもほとんど捨て身の作戦でシールドにスター・デストロイヤーを叩き落とし、希望への道を切り開く。
 単純に、本当に単純にこの場面は楽しかったです。
 ただ、目的を達するために「色々なスイッチ」を押して回っていかなければならない展開は、少しゲーム的な感じがしました。むしろ、ゲームにしたいんじゃないかなっていう空気すら感じる。まあ、ささやかではありますけどね。


満足点④ とは言えキャラクターたちはよいキャラクター

 キャラクターの絆の描き方が薄い、とは言いましたが、キャラクターそのものは印象深くてよかったのです。 個人的にお気に入りはK-2SO。非常にシニカルで、R2やC-3POとは違う意味で人間臭いドロイドです。個人的なファインプレーは、彼に例の「嫌な予感がする」を言わせたこと。シリーズのの象徴的なセリフですが、この場面では「知ってるよそんなの!」っていうコメディに昇華されていました。彼にしか言えないセリフであり、彼が言うからこそ別の意味を持つことが出来た。

ローグ・ワン

 あとは、チアルートとベイズも良かったですね。関係性が良かった。
「幸運を」
「必要ない、お前がいる」
「(やれやれ)」

 の流れは、二人の絆の強さを端的に表してると思います。もっとね、他の人達ともこういうのをやってほしかったわけです。
 ただまあ、チアルートは正直強すぎでしょうよ。もうジェダイと言っても過言じゃないじゃないですか。っていうかどのジェダイよりも強いんじゃないかな。それはしょうがないです。ドニー・イェンだから



 というわけで、不満は決して小さくはないですが、見た後は楽しかったと、素直に思えるような映画でした。

 ここからは本編の感想とはまた違ったものになるのですが、今回取り上げられた主人公たちは、それまでの英雄たるジェダイではなく、名もない兵士であったのですよね。同時に「同盟軍のダークサイド」でもあったわけです。
 同盟軍のダークサイド。当然、同盟軍が帝国に立ち向かっていくには、クリーンファイトだけではどうしようもない。ダーティーなこともしていかなければならないし、当然そこは非道な行いをする同盟軍兵士だっているわけです。
 今までのシリーズでは、そこはきれいに忘れ去られていました。
 同盟軍は善、帝国は悪。1978年のエピソード4では、それが顕著でした。5、6の「ダース・ベイダーとルークの親子の物語」にシフトしても、親であるダース・ベイダー以外の帝国は、悪のままでした。
 1~3は、アナキンがダース・ベイダーに至るまでの物語なので、やはりそこも明確にされていました。と同時に、善、秩序なる側の窮屈さがそれを導いたという息苦しさも感じさせます。テーマとしては、とても重たいものなのです(まあそれを表現する時間は結果なかったと正直思いますが)
 そして7は、「子供たちの物語」。(レイはルークの娘だという前提で話しますけど)レイという善なる子供と、レンという悪に堕ちた子供。その子供たちがもがきながら、自分という物を見つける……という話になるのではないでしょうか。
 なので、ここまでの中で、「同盟軍=善、帝国=悪」の図式が崩されたことはないのです(1~3では帝国はパルパティーンと置き換えられますが)。その決定された善悪の中で、時には親子の物語であり、時には悪に転落する男の物語であり、時には子供たちの物語が描かれるわけです。
 ところが今回、はじめて同盟軍の「悪」の部分が描かれた。それはソウ・ゲレラであり、キャシアンでもあるのです。
 そう思うと、ソウ・ゲレラなんかはダース・ベイダーと実に対象的に描かれています。ともに体をもがれ、呼吸器なしでは生きていくことが出来なくなっている。方や帝国を倒すために暴走し、片や愛すべき人を救うために暴走した成れの果て。その結末が、自分の子供に希望を託して死んでいくというのも、また出来すぎた対比でしょう。
 ちょっと話はそれましたが、そんな感じで、同盟軍のダークサイドもしっかりと描かれているわけです。勧善懲悪が許された、脳天気な過去ではない、非常に現代的な命題だな、と思うのです。
 ……まあ、それだけです。特に落ちがある話でもないので……。


 そんなこんなで、楽しい話でした。是非とも見たほうがいいと思います。そして願わくば、エピソード4も改めて見返していただけると、また違った気持ちで見られるのではないかと思います。


ローグ・ワン

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