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白鯨との闘い

白鯨との闘い

 映画を見て参りました。
 見た映画は「白鯨との闘い」



【ストーリー】
1819年、エセックス号のクルーたちは鯨油を入手するためにアメリカ・マサチューセッツ州のナンタケット島を出港する。一等航海士オーウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)をはじめとする乗員たちは、太平洋沖4,800キロメートルの海域で白い化け物のようなマッコウクジラと遭遇。彼らは強大な敵を相手に必死で抵抗するものの船を沈没させられ……。





みんしーやん的評価:
C

 そんなわけで終了間際に見てまいりました。
 主演はクリス・ヘムズワース。マニアックな極一部の方には、「マイティ・ソー」のソー役で名前が通っている俳優さんですが、世間一般では「キャビン」の「戦士」役の人で有名なのかなと思います。そんなゾンビ一家に翻弄される大学生のアメフト選手役一般に名前が通ったクリス・ヘムズワースですが、今回は捕鯨船の一等航海士役です。

 かの「白鯨」のもととなった実話、を元にした映画です。多少ややこしいですね。
 「白鯨」は読んだことはないですが、あらすじは知っています。

『白鯨』のあらすじ
 男塾名物大海島巡り、二島目は青鬼島。そこにいた三海魔王の一人キャプテン鱏破布(エイハブ)。彼は白鯨を倒すため、一号生にシャチで訓練させたり、メスの鯨の張りぼてをけしかけたりするが、悉く作戦は失敗する。やがて白鯨を銛を突き立てるがそれを避けなかった。子鯨を守っていたのだ。攻撃を止めた一号生は頼りにならないと、自ら銛を持って突撃するエイハブの船を桃が壊し、海に投げ出されたエイハブは白鯨に食われるのだった。


 でまあ、邦題は「白鯨との闘い」なのですが、この邦題よくないと思うんですよね。
 原題は「IN THE HEART OF THE SEA」。基本「鯨」の文言はありません。実際、鯨と遭遇する場面はそれほど多くありません。ほとんどのシーンは、船の上でバタバタしているか、ボートの上でバタバタしているかくらいです。ただ、「『白鯨』の元になった実話」という触れ込みであれば鯨を推すのも仕方がないところ。原題はともかく、ポスターはこれでもかというくらい鯨推しですしね。
 ただここまで露骨にタイトルに「白鯨」を入れてしまうと、「鯨と戦った結果(事実にのっとって)負ける」って想像するじゃないですか。「闘い」って入ってるくらいだし。実際は鯨に「いいようにされる」だけでしかないですからね。
 原作は『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』というタイトルなのだから、『復讐する海』的なタイトルにしておけば角は立たないと思うんですけどねぇ。
 あとは「衝撃の実話」みたいな文言も、それがポスターに所狭しと並べられているのもどうかと思います。そりゃ、日本のポスターはダサいとか言われますよ。

 実際、この映画で人類の脅威となるのは鯨ではなくて、鯨を含む海の全てなのですよね。おそらく、話全体のテーマを粗くまとめると、「海の恵みがすべて自分たちのものだと思い込んでいた人類が、その脅威にさらされて自分たちの身の小ささを知る」ということだと思います。途中船長が、キリスト教に根差した「地球のものはすべて人類のもの」発言を差し挟んでいたのもそういう理由だと思います。
 自分たちの所有物、ただ狩り、油を取得するためだけの存在だと思っていたものに、極限状態まで追い詰められ、その恐ろしさを知る、というところですかね。

 ただ、それがメインテーマだといわれると、「ううん(´・ω・)……」となってしまうのもまた事実。
 正直、今更、って感じがします。それこそ、まさに捕鯨が盛んだったこの時代であれば大きな衝撃をもって受け止められたでしょうが、種の保存についての意識が十分に行き渡った現代。今ではサンデーモーニングでとんちんかんなことを口走って顰蹙を買う以外に存在理由がなくなってしまった関口宏が、わくわく動物ランドで「ライオンがシマウマを狩るのも生きるためだから大切なことなんです」と何度か言っていた甲斐もあり、生命を無用に狩ることは許されないんだ、という意識はしっかりと芽生えているはずです。そんな現代に「実は海って脅威なんですよー」と言われたところで、「知ってるよ!」ってなるだけ。
 「くじ引き」の話も然りで、現代なら「そりゃまあ、極限状態なんで仕方ないんじゃないですかね」と、すんなり受け入れられる。
 テーマ性の設定が、今の時代に流すには多少合わないんじゃないかなとは思います。

 じゃあ、単純なアクション、エンターテイメントとして送り出せばいいのではないかというと、こっちはこっちで問題が色々と多いわけです。
 まず、「鯨に刺さった銛」視点とかは斬新な気もしますが、臨場感を優先した結果なのか、位置関係や何が起きているかが分かりづらい。確かに、あんなでかい生き物に海で遭遇したら、おそらくあんな感じでわけが分からなくなると思います。でも、それは現実であって、映画はもっとわかりやすく見せてほしいです。少なくとも、エンターテイメントとしてはそうしなければダメだと思うんですよ。臨場感を上げればエンターテイメントとして優位になるかというと、そんなことはない。

 脚本についても、救出されるという肝心であるはずの部分で全く盛り上がりがないとか、基本的に「全部お前らが無茶したせいだよな」となり感情移入ができないとか、そのくせ最後が感動げにまとめてたりだとか、そもそもそれをメルヴィルが聞き出すまでの、前半部のあのごたごたは必要なのか、という問題があります。おそらく「くじ引き」の話を非常に深淵な問題提起にしたかった故のことでしょうけど、残念ながらそこも観客の意識と乖離しているように思う。
 そのくせ、あからさまに事実でないところはしっかりとフィクショナルに描いていたりするわけです。白鯨がわざわざ追いかけてきて嫌がらせをしたりだとか、以前銛を突き刺した鯨に偶然遭遇したりだとか。そもそも、あのボートにあれだけの人間が90日とは言わないまでも、結構な日にちを生き残るだけのものが積めるように思えないし、積んでるようにも思えない。そのフィクションが物語を楽しめるようにしているかというと、そんなことはないというのが非常に残念なところです。
 キャラクターも薄いです。船長が嫌な感じで描こうとされていましたが、こちらはその船長の苦悩も知ってしまっているので、「なんだこの船長!」と思えない。その船長と一等航海士のクリス・ヘムズワースとの「確執」も、ナレーションで済まされるだけでしっかりと描かれない。いくら雷神様や大学のアメフト選手だとしても、この一等航海士には感情移入はできませんよ。

 総じて、全体的に平坦で、残念な映画でした
 鯨の描き方とかはなかなかよかったと思うので、それこそ「白鯨」本編を映画化すれば、もっと素直に楽しめるエンターテイメントになったのではないかなと思います。実際何度も映画化されている、普遍的な題材だとも思いますし。
 そんな感じですね。雑なまとめ。

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