ブラッドゲーム

ブラッドゲーム

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「ブラッドゲーム」

【ストーリー】
東欧のある国で平和に暮らしていたイローナは、ある日突然現れた謎の武装集団に誘拐され、森の奥の“猟場”に連行された。そこには多数のハンターたちがおり、彼女はサバイバルを余儀なくされる。そして、なんとその模様はいたる所に仕掛けられたカメラで撮影され、世界の富裕層に配信されていた。彼女は、莫大な金が動く前代未聞の殺人ショーに巻き込まれていたのだ…。


評価:
D

 主人公の女の子のガーターベルト的な衣装が素敵だと思いました。







 いや、正直これで終わらせたっていいんですよ!
 それ以外に見るべきところは、正直ないんですよ
 こうね、結構な勢いで「マンハント」ものっていうんですかね、人間を狩るような悪い人たちがいて、主人公がそれから逃げてて、最終的にはその悪い人に一泡吹かせる、っていう。結構このフォーマットの映画はいくつかありますけど、正直面白かったものは一つもないんですよね

 いや、この映画も途中までは頑張ってましたよ。むしろスタートの、戦車が走っていくシーンでは、重厚感のあるクラシックをBGMとしたそのチョイスも含めて、「おや?」と思う程度には、期待感のある導入でした。

ブラッドゲーム
期待を持たせるオープニング

 まあ、それだけでした。
 後は滑り落ちるかのように、どうでもいいシーンのオンパレード。登場人物たちは、主人公サイド(ヒロインとその兄しかいないけど)も、敵側も含めて、何一つ感情移入できるような人はいないわけです。なので物語の進行に全く興味が持てない。誰がどうなろうが、どうでもいいわけですよ。一時、ヒロインと一人の男が行動をともにするわけですが、何故この男がヒロインを助けたのか、っていうのも、特に興味もないわけですよ
 敵方もひどい。ダニー・クローヴァーはテレビの中で喋ってるだけだし、悪いお姉さんは主人公のお兄さんに逆レイプかましたら結果逃げられるし、悪いお兄さんは謎のやり取りの末にせっかく拘束した主人公を逃がすし。

ブラッドゲーム
多分実拘束時間2時間。

 そしてまた、導入部になっていた重々しいクラシックが、引き続き重々しい雰囲気を全編に持ち込んでいるわけですが、上述の通り興味を持てない上に、軽々しくかったるい展開にそんな重厚感を醸し出された所で、こっちは困ってしまうわけです

 物語の唯一の訴求力が「ヒロインが美人」「服装がエロい」ってところしかない、まあ駄作としても特筆すべき所のない作品であります。
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フランケンジョーズ

フランケンジョーズ

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「フランケンジョーズ」

【ストーリー】
1942年―。第二次世界大戦の劣勢を打破する為、ナチスが極秘に開発していた生物兵器が破壊された。この失態でドイツは敗戦。世界に平和が戻った…。現代―。観光で生計を立てる、海辺の小さな町に、突如、巻き起こった鮫の襲撃騒動。町民は鮫退治に乗り出すが、彼らが見たのは世にもおぞましい人造生命体フランケンジョーズだった!そう、第三帝国が生み出した怪物は生きていたのだ!


評価:
D--

 あのね、ひどい。

 ほんとひどい。

 そもそもからして、開幕の過去のシーンの合成具合が本当にひどかった。いやまあ、合成は全体的にひどいんですけれども、ぱっと見た時の感覚が、なんていうんでしょうかね、「プラン9・フロム・アウタースペース」を始めてみたときの「ええ……」って感慨によく似ていたんですよ。
 エド・ウッドを始めてみたときの感覚を思い起こすなんて、そうそうないことですよ?
 その死ぬほどチープなCGはなんだって言う話ですよ。今日日中学生だってもっとちゃんとした合成作れますよ。なんならスマホにアプリ入れて作業できるレベルですよ。大の大人がそれ以下の映像作って、金取ってるんじゃないよ、って話じゃないですか。

フランケンジョーズ
こんなCGが全編に渡って出てくるわけですが、それでも前半に出てきたこのCGがは出来が良い方。

 でもCGなんて、大した問題ではないのですよ。最終的にそのCGすらまともに作らなくなりますからね。
 キャストが棒読みなのは当然として、突っ込み所は数多あるわけです。そんなものいちいち突っ込んでいたら日が暮れてしまうわけです。映画は1時間13分という破格の短さであるにも関わらず、日が暮れてしまうわけですよ

 たとえば、「水着で海に飛び込んだ女の子がサメに襲われるシーン」なんてのがありまして、水に飛び込む前と後で、水着が全く変わっているわけですよ。って言うか肌の色も違うんですよ。人種が変わってるんですよ。画がつながらないどころか、「つながり」って単語を知ってるかのすら怪しいわけ。しかもこの「海に飛び込む」シーン、2回繰り返しますからね。編集ミスかなにか知らないですが。

フランケンジョーズ

ここから

フランケンジョーズ

こう!

 こんな感じで、たかが数秒のシークエンスでだらだら突っ込んでいたのでは、日が暮れるのも道理でしょう。そんなわけで、細かいツッコミはいたしません。
 ただ、全体的に漂う雰囲気として「あ、うちら予算ないんで、金のかかる映像とか撮れないっすわー」っていう、なめた気持ちがいいだけ透けてみるのですよ。
 時間がないから、ド晴天でも遠慮なく雷のエフェクトをかぶせるし、金がなくてダイバーなんて出せないから、ありあわせのダイバーのシーンを拝借しているし(しかもサメへの襲わせ方が、赤いエフェクトをかぶせるだけというイメージ映像作戦)
 そして一番イラッとするのが、後半になるにつれて、登場人物からも物語への真剣さが薄れていくこと「うちら真面目にやってませんので、怒らないでくださいね?」っていう予防線がバッキバキに貼られているのが見えて、もう、志の低さが、嫌でもわかってしまうわけです。
 画が駄目、脚本がダメ、演技がダメ、っていうのなら、それはもう仕方のないことでしょう。しかし、根本的に「なめてる」に関しては、これはもう、いかなる理由があろうがNGでしょうよ。それこそ、エド・ウッドを見習えって話ですよ。エド・ウッドがあれだけ残念を超えた可哀想な映画を量産していたにも関わらず、今持ってある種のファンを確保し続けているのは、映画に対してどこまでも真面目で前向きだったからでしょう。「プラン9・フロム・アウタースペース」にしたって、あれだけチープな絵面でありながら、それを彼は大真面目に作り、大真面目に通し続けたのは、あの映画からでも十分に伝わってくるのですよ。
 この「フランケン・ジョーズ」のスタッフにはそれがないわけ。予算のなさ=自分たちの不利を、へらへらした笑いで誤魔化そうとしているわけですよ。映画に対して真面目に取り組んでいない。
 これはもうね、ダメなわけですよ。

 そして、これに似た映画を、僕は知っています。
 それは、「キングスパイダー」です!
 おめでとう! 「キングスパイダー」に並ぶ作品が、自分が生きている間に見れるとは思いませんでした!
 「キングスパイダー」を知らない人は、今すぐ借りてきてください! そして見てください! 僕は見たのにあなたは見てないなんて、不公平じゃないですか! あなたも同じ苦しみを味わってくださいよ!
 なので、この「フランケン・ジョーズ」もおすすめです。「キングスパイダー」とどっちかを見てください。
 もうさ、10万円以下の罰金刑くらいだったら、このどっちか見ることで許してあげてもいいと思うんですよ。

シャーク・ナイト

シャーク・ナイト

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「シャーク・ナイト」

【ストーリー】
自然に恵まれたクロスビー湖に、女子大生サラ(サラ・パクストン)と6人の若者たちがバカンスにやって来る。当初は浮かれ騒ぎ休暇を満喫する一行だったが、仲間の一人が湖にいるはずのないサメに襲われたことから事態は一変。動揺する若者たちの前に地元のダイバーたちが現われるが、実はこの状況を作り出したのは彼らであり……。自然に恵まれたクロスビー湖に、女子大生サラ(サラ・パクストン)と6人の若者たちがバカンスにやって来る。当初は浮かれ騒ぎ休暇を満喫する一行だったが、仲間の一人が湖にいるはずのないサメに襲われたことから事態は一変。動揺する若者たちの前に地元のダイバーたちが現われるが、実はこの状況を作り出したのは彼らであり……


評価:
C-

 世に数多あるサメ映画。かつてスピルバーグが掘り当てた「サメ」という鉱山から、さらなる黄金を掘り出そうと多くの人間が集い、必死にピッケルを突き立てました。
 しかし、そこにはもう黄金など残っていなかったのです。そもそもからして鉱山かどうかも怪しいのです。スピルバーグがたまたま黄金を拾っただけの話かもしれないのです。
 それでも、世にはサメ映画が溢れています。そこは黄金溢れる鉱山でないとしても、「まあとりあえずなんか掘れるしそれなりに金になるでしょー」くらいに気軽な気持ちでばんばんサメ映画を撮るわけですよ。
 そもそもね、「サメ」ってモンスターとして、非常に制約の多い生き物だと思うんですよ。
 あいつら水の中にしかいられないし、お口でガブッてやるくらいしか攻撃手段ないし、防御力に至ってはほぼ皆無ですからね。その弱点をカバーしようとすると、タコと融合させたり頭を増やしたりゾンビにしたりとか、荒唐無稽なアレンジを加える必要が出てくるわけですよ。
 そもそも、ジョーズが受けた理由って(当時としては)リアルなサメの恐怖であったわけで、リアルではないサメなら、もう別のモンスターでいいよね、って話なわけですよ。

 まあそんな、世にゴマンとあふれるサメ映画の中で、じゃあ、この作品はどうだろう、ってなるわけです。

 いや、やっぱり基本凡百のサメ映画だったよ! ダメだったよ!


 いやね、多少ひねりをもたらそうとしている努力は見えるのですよ。結局悪いのはサメじゃなくて人間で、サメさんはただ目の前の餌を美味しくいただこうとしてるだけだし。

シャーク・ナイト
悪い人のみなさん。

そのサメさんも、タコと融合したり、頭が増えたり、ゾンビになったりしてるわけじゃない、ついでに言うならハリケーンに巻き込まれて空も飛んだりしてない、超巨大で巨大な人形兵器サメ型兵器と戦ったりもしない、極普通のサメさんですから。(どうでもいいけどどれだけのひどいサメ映画見てるんだって話ですよね、この私は
 そのサメも、46種類は流石に言い過ぎにしても、数種類捉えて、食い方にもバリエーションをもたらしていますからね。そのあたりでは飽きが来ないです。
 ただねぇ。
 流石にサメ映画で、そんなものでバリエーションつけられないっすわ。
 丁寧に作ろうとしているのは分かるけど、言ってしまえば超絶地味なわけですよ。全体を通して「面白い!」「すっきりした!」とはならず、「まあつまらなくはないけどね」っていう、微妙な所で落ち着く感じにしかならないですよ。

 そんなこんなで、荒唐無稽さを捨てて手堅く作ったら、存外拍子抜けする作品になってしまいました。
 サメ映画っていうのは難しいですな。そんな難しいの、作らなければいいのに。(そして見なければいいのにね、私が

シャーク・ナイト

ピラニア3D

ピラニア3D

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「ピラニア3D」

【ストーリー】
大勢のバカンス客が押し寄せ、大学生たちがハメを外すアメリカ南西部、ビクトリア湖畔の町。地元の女性保安官ジュリー(エリザベス・シュー)は、前日から行方がわからなくなっていた老人の死体を岸辺で発見する。その死体は、ゾンビのように変わり果て、普通の事故では考えられない残酷なありさまだった。


評価:
A

 年1くらいでピラニア3Dを見ないと死ぬ病気にかかっているので見ました。

 素晴らしい映画です。
 欲しいものがここには詰まっています。見る人がみんな幸せになる、誰も傷つかない映画です
 いやまあ、映画の中の人はみんな傷ついてるんですけどね、物理的に

 話は至極単純。「ピラニアが出ましたさあ大変」というだけの話です。
 この手のパニックホラーものにありがちのプロットとして、

 小さな町は祭りでこの時期大賑わい
 ↓
 危険な生き物が出てきた! 祭りを中止しないと犠牲者が!
 ↓
 そんなことしたら町が大変なことになる。祭りは中止にしない。
 ↓
 危険な生物が現れて死屍累々

 そりゃもう、由緒正しいジョーズから引き継いだ流れですよ。このプロットが、世にどれだけ溢れ、どれだけのサメ映画のパッケージ裏に、同じような文章が書かれているか、って話ですよ。
 このピラニア3Dもそれを立派に踏襲しています。
 が、世に溢れるサメ・ピラニア映画と一線を画しているのは、このプロットを踏襲しつつも、それ以外の部分でしっかりと、そして容赦なく全部のシーンを書ききっていることなのです。
 まず、湖で騒いでいる若造たちです。容赦なく頭が悪いです乳放り出してるバカと、それを見てにやけているバカしかいません。それでもしっかりお膳立てはします。ちゃんと「危険だから上がりなさい」って警告しましたよ。それでも警告を無視しました。
 そりゃもう、何があってもいいよね。もう死んで当然だよね
 いや、実際現実世界だったらそんなことで死んで当然とはならないですが、映画だから死んで当然です。見てる方は、彼らに対して何の憐憫の情も抱く必要がなくなります。だから遠慮なく見れる。イーライ・ロスの頭がボートに潰されようが、女の子がピラニアに穴だらけにされようが。「死んで当然」というお膳立てがされているので、素直に惨劇を楽しむことができるのです。しかもその人達が乳を放り出しているというのですから、これはもうウッキウキですよ

ピラニア3D
ウキウキな人たち。

 主人公サイドも見てみましょう。
 主人公は、一見うだつの上がらない高校生です。好きな子にアピールすることも出来ない男子です。よくあるシチュエーションです。非常に親近感を覚えますね。こんな親近感を覚える人がピラニアに襲われるのは、流石に心が痛みます。
 でも安心してください! この子も、ポルノ監督に気に入られておっぱいおっきいお姉ちゃんたちとキャッキャウフフしますよ! もうこいつも死んでいいよね! 幸せそうなやつはみんな死んでもいいよね!
 そんなわけで、主人公からも容赦なく同情の余地を奪っていきます。結果、見てる我々は素直に殺戮ショーを見ることが出来、「ああ、明日からも頑張ろう」って気持ちになれるわけですよ。
 素晴らしい映画じゃないですか? 現実世界では決して言うこの出来ない「リア充もげろ、いやまじで(真顔)」を、堂々と言い放ち、実際もげるわけじゃないですか、手とか脚とか。そりゃもう、現実世界でいいだけ虐げられてる我々なんかは、溜飲下げまくりなわけですよ。しかもそこにおっぱいがついてくるんであれば、これはもう見ない理由はないですよね!

ピラニア3D
おっぱいの人たち。

 などと、ルサンチマン全開で褒めてみたわけですが、実際に絵面としても面白いのですよ。この映画に求められるのは、上品なテーマ性とか教訓なんかじゃなくて、エロとグロそれだけなわけです。そして、その要求に全力で答えている。だから、素直に楽しいと思える。
 それだけではなくて、最初の犠牲者がジョーズのマット・フーパーだったりとか、エリザベス・シューとクリストファー・ロイドの、誰が見てもバック・トゥー・ザ・フューチャーを思い出すコンビががっつり出ていたりとか、主人公がスティーヴン・マックイーンの孫だったりとか、映画監督がスタンド・バイ・ミーのデブの人だったりとか、それなりに豪華且つ、80年代の、それこそこの手のスプラッター映画全盛期に活躍してた人たち(に縁がある)人が出ていたりと、非常にわかっている感があります。
 ただのスプラッター映画ではない、ちゃんと面白く、ちゃんと楽しめて、しかも何も偉そうなことは言わない、とても気持ちのよい映画です。
 グロ耐性のある人は、是非とも見てください。自分は見ないと死ぬ病気なので定期的に見ます



 ただ、一つ納得行かないことが。
 あのね、吹き替えの出川さんはダメでしょう
 いや、出川哲朗、って芸人さんは嫌いではないのですよ。
 ただ、前もゴースト・バスターズの時に言いましたが、「自分をアピールする」ことを仕事としている芸人さんと、役を演じる俳優さんとは基本的に食合せが悪いと思うのですよ。それでも顔出しの役者であれば、「芸人」という側面も見てもらうことでキャラ設定に取り込むことができるのですが、それが出来ない声優だと、芸人としての押しの強さばかりが目立って、キャラクターを殺してしまっている気がするのですよね。物語に深い意味をなさないチョイ役だったりとか、それこそ人形劇三国志みたいにそのために作られたキャラクターであれば良いのですが、今回の彼の役は違いますからね。チョイ役どころか、本来であればマフィアのボスをやってもおかしくないし、なんなら警官にケツを掘られたりしてるところにブルース・ウィリスに助けられて、八百長の裏切りを不問にしたり、まあ今全部マーセルスの話ですけど、そんな結構意義のある役に当てるのは、ちょっと違うのではないかなー。
 ちょっとそこだけが非常に残念でした。
 まあ、さしたる問題ではありませんけれどもね。

パフューム ある人殺しの物語

パフューム ある人殺しの物語

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「パフューム ある人殺しの物語」

【ストーリー】
18世紀のパリ、悪臭のたちこめる魚市場で産み落とされたジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。驚異的な嗅覚を持つがゆえに、奇怪な青年として周囲に疎まれている彼は、ある晩、芳しい香りの少女に夢中になり、誤って殺してしまう。その後、彼は少女の香りを求めて調香師になり、香水作りに没頭するが……。


評価:
A

♪バスタブに獣脂満たし
パフューム ある人殺しの物語


♪裸で浸かれば
パフューム ある人殺しの物語


♪あたしをあたしたらしめるもの滴る
パフューム ある人殺しの物語


♪chu chu chu…人体(じんたい)実験(じっけん)chu
パフューム ある人殺しの物語





 はい! どうもこんばんわ!
 最近、一ノ瀬志希の「秘密のトワレ」が脳内でヘビーローテーションされているので、(中略)これを借りてきましたよ!
 いやまあ、トワレのイメージモチーフに「香水 ある人殺しの物語」があったというだけなんですけどね。お陰でハイライトの「殺人⇒匂い保存シークエンス」で、ずっとトワレが脳内ループしていて、大変でした。

 まあそんな映画ですけれども、やっぱりちゃんとした映画だけあって、普通に楽しめましたよ。いやあ、普段鮫とかゾンビとか出てくる映画ばかりみていると、たまに見る普通の映画が新鮮でね!
 映画自体は2時間半と多少尺が長いのですが、その間基本的にダレることなく、見ることが出来ました。
 見ることは出来ました、が、多少ならず引っかかるところもあるかな、というのは正直なところですね。
 ちなみに原作は未見なので、そこはご考慮いただきたい。

 一番気になったのが「グルヌイユの目的って結局なんだったのか」が不明瞭だったことですかね。
 いや、短期的には勿論分かるのです。女の子の匂いを保存して、自分が臨む最高の香水を作る、と。わからないのが、何故それを作りたいと思ったのか。
 一応物語の中盤で、「自分に匂いがない=自分の存在がこの世にないかのように感じる=自分の存在をこの世に残すために」って説明はされていました。その目的が「究極の香水を作る」ということで、それが「女の子の匂いを閉じ込めて混ぜ合わせたもの」という結論に達したのでしょう。
 それならば、それでも良いのです。自己実現のためにどうしても必要だったのですから。至極単純な目的だったのでしょう。
 それが分からなくなっている理由が、ハイライトの処刑場のシーンでしょう。
 完成した「ぼくのかんがえたさいきょうの香水」を隠し持っていたところから見て、グルヌイユは「その香水が人の心を操ることができる」と知っていたように受け取られます。
 このシーンで、それまでの(倫理観はさて置くとして)求道者然としたグルヌイユの行いは、この処刑場のシーンで急激に超然とした神的存在に変貌するのです。この香水にその力があることをグルヌイユは理解しており、それを惜しげもなく濫用している。
 ここで出て来る疑問が、グルヌイユの目的が「人を操る香水を作ることだったのか」ということ。
 これは結構大きく違っており、前者=ただただ自分の理想の香水を作りたい、であれば、「倫理観の欠如した求道者」ですが、後者=人を操る香水を生み出す、であれば、「超常的な力を持ったピカレスク」になるわけです。
 この処刑場のシーンを持って、急激にグルヌイユの立場が揺らいでしまうのです。
 各シーンは丁寧に不気味に描かれていただけに、少し残念でしたね。

 でもまあ、その理由は大体わかります。
 原作のあらすじを見ただけですが、実は途中、エスピナスというとある樹海で寝てそうな名前の領主のもとで人を操る香水を作る術を身につけるのです。それを受けての処刑場のシーンなのですが、映画ではこの領主の下りは一切ありません。まあ確かに、メインのテーマからは少し外れるこの下りで尺をとることはしたくなかったのだろうと思いますし、実際もしこのシーンが描かれていたら、蛇足的なシーンになったであろうことは想像に難くありません。

 あと気になるといえば、「グルヌイユを手放した人」が全員その場で死んでるのは、何か意味があるのかなぁと。原作がそうだから、と言われればそうなのかもしれませんが、あまり物語に強い影響を残してないので、少し違和感を感じました。

 とは言えまあ、立派な映画でありますし、普通に楽しむことは出来ますよ。
 一度秘密のトワレをヘビーローテーションしてから聞いていただけると、良いのではないですかね。むしろヘビーローテーションしてね!

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