大怪獣東京に現る

大怪獣東京に現る

 不思議な方法で映画を見ました。
 見た映画は「大怪獣東京に現る」

【ストーリー】
のんびりしたある日、東京湾にトカゲ型怪獣が出現、自衛隊の奮戦も空しく東京は壊滅、怪獣は山梨県を通過する進路をとり、甲府市を蹂躙、更に西に向かった。そのとき関東地方に巨大地震が発生し、ついで福岡に飛行可能なカメ型怪獣が出現、トカゲ型怪獣を迎え撃つかのように北東に進路を取った。
怪獣の出現地点から遠く離れた福井県三国町の住民は、呑気に日常を過ごしていた。しかし、やがて住民達は怪獣らが福井県へと進路を取っていることに気づく。福井には自宅だけではない、原子力発電所もあるのだ。自衛隊はあてにならず、アメリカの大型空母は地震に伴う津波によって海の藻屑と消えた。誰が怪獣を攻撃する? いちばん安全な避難場所はどこだろうか?


みんしーやん的評価:
C

 怪獣続きで更に一本。

 怪獣映画、と銘打たれていますが、果たしてこれは怪獣映画なのか、否か。
 怪獣は全く出ません。1秒も映りません。劇中の人物も、怪獣は全てテレビの中だけに存在するものなので、現実感を持って接してはいない。所詮は遠い場所のこと、福井までは来ないでしょう、と。脳天気に構えていたものの、やがて怪獣は二匹に増え、怪獣はどんどん北側に……つまり自分たちのいる方に向かってくる。さあ大変、という話です。
 怪獣のでない怪獣映画、というのは面白いアイディアでしょう。アイディアでしょうが、正直それをやるには尺が長いかなと。

 恐らく、一発アイディアを思いついたのでそれで行こうと息巻いては見たものの、実際怪獣の出ない怪獣映画って、できることは少ない。コメディに舵を切った事自体は間違いではないんだろうけれども、登場人物が多く、その話が散漫なので、非常にまとまりのない話に見えちゃう。怪獣あんまり関係ないじゃん、って話の流れも見受けられる。
 「遠巻きに見てる分には他人事だけれども、いざ自分に被害が及ぶと慌てふためく人間の愚かさ」を表現するのであれば、これって桃井かおり周りの場面だけまとめていけばいいのですよね。むしろそこに話を集中させたほうが、コメディとしても締まるだろうし、シニカルで意地悪なテーマをしっかり表現することも出来たと思うのですよ。話がまとまらないことを恐れたのか、それともはじめから群像劇にすることを望んでいたのか、正直半数以上の登場人物が全く要らなかったと言わざるを得ません。

 そして、それよりももっと不満だったのが「怪獣の表現方法」
 勿論、1秒も怪獣は出ないのですが、怪獣を模した「矢印」は出てくるのですよ。
 でもこれって、「怪獣」を出してることになるじゃないですか。
 分かるかなぁ、目に見える、例えば恐竜や亀に似た巨大なでは勿論ないけれども、この矢印は確かに怪獣を表現しており、日本のどこにいるのか、どういう経緯で移動し、もう一匹の怪獣と戦闘していることが、明確に表現されているじゃないですか。形こそ恐竜や亀じゃないけど、それは確かに怪獣を表現している。
 「ニュースで出てくる映像」であればそれは問題ないのですよ。あくまでも、ニュースでわかり易い表現をした結果を、登場人物(と観客)が享受しているので。でもこれは違って、観客だけが理解できる映像なわけですよ。そこに「怪獣」を出したら、そもそもこの映画のコンセプトが瓦解するわけじゃないですか。
 結局「怪獣」を出さないんじゃなくて、「造形としての怪獣を出してない」だけなんだと。

 んまあ、確かに、どうでもいいといえばどうでもいいことかもしれません。正直なんで自分もこんなところにこだわっているのか分かりません
 ただ、なんとなくですが、こういうところも含めて、非常に典型的な「邦画」のように思われるのですよね。
 話は全体的にとっちらかってるのもあるし、「怪獣の出ない」というコンセプトはぬるっと崩壊している。でも多分、製作者はそれを良しとしている。コンセプトを明確に定め、そこに対して話を絞るということをしないで、ともかく四方八方に話を広げて伏線を複雑化することを「よいシナリオ」と位置づけているフシがあるのですよね。
 後は役者陣の演技テンションも、非常に「邦画的」静的な場面では感情が一切感じられないほど平坦で、動的な場面では非現実的なほどにオーバーアクション。現実にこんなことがあったら……というシミュレーションをさせる余地もなく、「これは映画なんですよ」と高らかに訴えるようなこの演技プランって、なんか昔から邦画にはあるような気がするのですが、なんなんでしょうかね。何もないシーンには感情を込めてはいけないっていう、暗黙のルールでもあるのでしょうか
 当たり前ですが、我々が平時日常会話している間も、感情って言葉にこもりますし、あんな早口で、投げやりな話し方はしませんからね。結局、動的な部分にのみ重きをおいて、それ以外には「不要な箇所」という認識しか持てないから、こうなっちゃうのでしょうかね。だからこそ、「不要な箇所」が続くことを良しとせず、不要でない場面を追加した結果、物語が群像劇化していくのではないかな。色々繋がった気がします。

 「怪獣の出ない怪獣映画」というコンセプトは、決して悪く無いと思います。マクガフィンとしての怪獣というのも非常に魅力的でしょう。ただ、それで描くべきところの視点がぶれてしまったことが残念だったかな。
 そして、それ以上に典型的な「邦画」の型にハマってしまっているのも、非常に残念でした。


 あと竹内力はよかったですが、この人結構こういうテンションの演技やるんだよね。
 あと大島優子は、まあうん。
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ガメラ 大怪獣空中決戦

ガメラ 大怪獣空中決戦

 不思議な方法で映画をみました。
 見た映画は「ガメラ 大怪獣空中決戦」

【ストーリー】
プルトニウム輸送船「海竜丸」の警護にあたっていた海上保安庁の巡視船に、「海竜丸」が座礁したとの連絡が入った。その環礁はまもなくまるで生き物のように「海竜丸」から離れていった。その頃、福岡市の動物園に勤める鳥類学者・真弓(中山忍)は、五島列島の姫神島で消息を絶った恩師・平田を心配して県警の大迫とともに島に飛んでいた。彼女がそこで見たものは、巨大な鳥によって破壊しつくされた島の変わり果てた姿だった。一方、「海竜丸」の座礁事件の謎を追う保安庁の米森(伊原剛志)は、海上保険会社の草薙を頼って調査船に乗り込む。太平洋上で環礁を発見し上陸した米森たちは、そこで不思議な金属片と、碑文の書かれた大きな石碑を見つける。ところがその瞬間、環礁は再び生き物のように動き出した…。


みんしーやん的評価:
A

 何故今このタイミングでガメラなのか、というと、「シン・ゴジラ」が流行っているからです。
 いや、この表現は正しくないですね。
 「シン・ゴジラ」を「高く評価する人」が「いる」からです。
 ここでは、改めて平成ガメラの第一作目であるこの作品を取り上げることで、「シン・ゴジラ」が果たして映画として、特に「怪獣映画」として、高評価する人たちが感じるものほどの面白みがあるのか、つまり、シン・ゴジラへの評価が、単なる歪んだナショナリズムが充足された快楽から来ているものなのではないかと、改めて検証したいと思います。
 わかりやすく言うと「今セックスしてる真っ最中だから可愛いって思ってるんだろうけど、本当にその子可愛い? 君の好みなの?」ってことですよね。

 とりあえず、この「ガメラ 大怪獣空中決戦」について、「怪獣映画」という観点から評価していきたいと思います。
 怪獣映画という点以外にも、例えば藤谷文子が出てきた時に「あなたのお父さんならギャオスも一撃じゃないですかね?」と思ったりとか、あとはギャオスが逃げる時のBGMが流れると、否応なく四国かどこかに連れて行かれるんじゃないかと思うとか、ということも語りたいわけですが、とりあえずセガールどうでしょうの話はおいておきます。


 「シン・ゴジラ」の方のネタバレに関わりそうなのでちょっと分けます。

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ゴースト・バスターズ

ゴースト・バスターズ

 映画を見て参りました。
 見た映画は「ゴースト・バスターズ」


オフィシャルではないけどね

【ストーリー】
コロンビア大学で教鞭をとっていた素粒子物理学博士のエリン・ギルバートは心霊現象を科学的に解明するための研究を行っていた。しかしある日、かつて自分が幽霊の実在を主張する本を書いていたことが明るみに出たせいで笑い者になってしまったばかりか、研究費を打ち切られてクビになってしまう。大学での居場所を失ったエリンは本の共同執筆者であるアビー・イェーツと再会し、自らの知識と技術力を生かすべくある計画を打ち立てる。それは、街を襲う幽霊を自分たちの手で退治するというものだった。エリンは原子力エンジニアのジリアン・ホルツマン、地下鉄職員のパティ・トーランを仲間に加え、専門会社「ゴーストバスターズ」を設立し、幽霊退治に乗り出す。


みんしーやん的評価:
B-






      りり






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X-MEN: アポカリプス

X-MEN: アポカリプス

 映画を見て参りました。
 見た映画は「X-MEN: アポカリプス」


もはやなんの予告だかわからないサムネイルだな

【ストーリー】
1983年。文明が誕生する前から神として君臨していた、ミュータントの始祖でもあるアポカリプス(オスカー・アイザック)が、突如として長い眠りから覚醒する。数千年ぶりに目にした人間とその文明が、誤った方向に進んでしまったと考えた彼は新しい秩序が必要だと判断。マグニートー(マイケル・ファスベンダー)など、4人のミュータントを率いる。彼の存在と考えを知ったプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)は、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)らと共にその行動の阻止に挑むが……。


みんしーやん的評価:
B

 X-MENシリーズ三部作の完結編、という触れ込みの今作でございます。
 まあ三部作と言われましても「どの三部作?」ってなるのも必定。
 X-MENシリーズも、MCUに負けず劣らず複雑化しております。ちょっと整理してみましょう。
 パトリック・スチュワートがプロフェッサーXをやっていた新しい時代の三部作に、ジェームズ・マカヴォイがプロフェッサー・Xをやっていた「ファースト・ジェネレーション」からの三部作(そしてそれが今作で完結)、それに加え、ウルヴァリンをフィーチャーしたのが、「ZERO」と「SAMURAI」と、その次にもう一作。そして「デッドプール」と、とりあえずその続編と、こちらも随分と色々あるのですよ。
 更に言うなれば、こっちにもMCUにも両方クイックシルバーは出ており、更にこっちではマグニートの息子だと明言されているのに、向こうではマグニートのマの字も出ないという、複雑な状況となっております。もう整理するのも大変です。そりゃデッドプールも文句言いますよ

 そんな、X-MENシリーズの完結編です。
 ヴィランとして据えられたのはアポカリプス。アメコミに詳しくない私でもアポカリプスは知ってますよ。だってマヴカプのボスで出てきたからね!
 そんな大物の風格を醸し出すアポカリプスさんですが、結果映画の中でどこまで頑張るのか、大変楽しみですね!

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ゴースト・シャーク

ゴースト・シャーク

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「ゴースト・シャーク」

【ストーリー】
神出鬼没の人喰いモンスター! “ゴースト化"した謎の巨大サメが、街のあらゆる場所で人間を襲う!!!

ある夜、ボートで釣りを楽しんでいた一行の竿に掛かったのは巨大なサメだった。
しかし恐怖のあまりサメを撃ち殺してしまった彼らを、復讐のため蘇ったサメが襲う―!!

それから数日後、人ごみで賑わうビーチが騒然とする。青白く光るサメが出現し、人々を襲ったのだ!
その惨劇が去った後に現場についた地元警察は、その話を信じようとはしなかった。
そこに偶然居合わせたエバと妹のシスリー、友達のブレイスは犠牲者の残したビデオカメラに光るサメの証拠をつかむ。
そこには光るサメの背びれが映っていたのだ。
しかし警察は彼らの証言を真に受けることはなく次々と犠牲者が増えるのだった…。
ゴーストと化したサメは、水がある場所はどこでも出現出来るのだった。
豪邸のプール、シャワールーム、水たまり…。
街の至る所に出現し、ひとを襲うサメに住民たちは為す術をなくす…。


みんしーやん的評価:
D

 どうしてこう、アメリカの人は「サメ」に対して神話的な恐怖を持っているのだろう。
 サメってさー、別に積極的に人を襲うわけではないのよ? そこにたまたま人がいて、たまたま人が食えるくらいでかいサメだったら、そりゃつい出来心でぱくっと行っちゃうかもしれないけどさ
 まあ、それは往々にして「ジョーズ」の功績でしょうね。「俺達の考えた恐ろしいモンスター」って勢いなのではないですかね。ピラニアやグリズリーが定着しなかったのは、露骨に2番煎じだったからですかね

 そんな、世に万と現れるサメ映画の、少しだけ奇をてらったのが、こちらになります。
 一度死に、幽霊となることで、水のある場所ならどこでも現れることができる、という特殊能力を身につけたサメです。幽霊なのに物理的に干渉できるのか、とか、コップの中から出てくるのなら大きさの概念はないのかとか、人体の中から食い破ったってことは、じゃあそれ血液でも生息できるんじゃない? とか、突っ込みどころは到底数えきれません。
 じゃあ勢いで押しきれるかって言うと、そういうわけでもなくて、だらけたり興味がなくなるシーンはてんこ盛りなわけです。水着のおねえちゃんはいっぱい出るのに、出すものを出さないというのもマイナスポイント
 プロットはプロットで、まんまジョーズと同じですからね。サメが死んでるか生きてるかの違いくらいしかありません。というか、このパターンは流石に繰り返されすぎて、本当にジョーズがこの脚本のパイオニアだったか、最近自信がなくなってきました。「殺人魚フライングキラー」が最初だったような気もしてきました。ジェームズ・キャメロンの代表作ですし
 じゃあ幽霊サメの描写が楽しいかって言うと、これは普通に人を喰うだけなのでね。あまり生きてるサメと変わらないです。

 総じて、、そんなに面白く無い作品でしたとさ。
 多分「新しいサメ映画を作ろう」からスタートして、「サメが幽霊って新しくないすか!」でみんなが盛り上がったところまではよかったものの、作ってる途中でもう面倒になって適当に流した結果出来たのがこれ、って経緯なんだと思います。
 見なくてもいいんじゃないですかね。

コードネームU.N.C.L.E.

コードネームU.N.C.L.E.

 BDを見て参りました。
 見た映画は「コードネームU.N.C.L.E.」

【ストーリー】
東西冷戦の最中の1960年代前半。CIAエージェントのナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)とKGBエージェントのイリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)は核兵器拡散をたくらむ謎多き国際犯罪組織を制圧するために、長年の政治的対立を超えて手を組むことに。思考や方法論も真逆の二人は、組織につながる手掛かりである行方をくらました科学者の娘を守り、核兵器の大量生産を阻止すべく奔走する。


みんしーやん的評価:
A

 ガイ・リッチーといえば、少し前まで、そこらを通っている女子高生に「ガイ・リッチーの代表作といえば何ですか?」と質問しすると「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「スナッチ」のどちらかの答えが返ってきたものです。
 今同じ質問を、そこらを行く女子中学生に質問したとすると、そこに「シャーロック・ホームズ」「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」が加わるわけですよね。
 それ以外何があるかって言うと、そんなにないわけです、この監督。ロック、ストックから結構な時間は経っているわけですけれども。
 そんなガイ・リッチーのフィルモグラフィに追加された、燦然と輝く次なる作品が、この「コードネームU.N.C.L.E」ですよね。今そこらを通っている女子小学生に尋ねたら、ガイ・リッチーの代表作としてこの名前が返ってきます。多分。

 作品自体が古式ゆかしいバディ・ムービーであり、原作を全く知らない私でも「ナポレオン・ソロ」の名前くらいはなんとなく知ってたりするわけです。
 ガイ・リッチーといえば、一見派手でアーティスティックな演出をするように見えますが、その実非常に手堅い手法と主題を持ってくる監督さんであります。今回もその例に漏れず、「国家レベルで仲が悪い二人が、いかにして心の絆を結んでいくか」というガッチガチのテーマに対して、ちょっと洒落た感じの演出が挟まれます。個人的に気に入ってるのは、盗聴器の下りと、ラストのカーチェイスの時、俯瞰気味にイリヤとソロに焦点を当てていた演出、そして、敵方の基地的なところで、「ガラスの部屋」をバックにソロがイリヤを「助ける」シーンでしょうか。
 特にこのシーンは、物語の中でも結構重要な部分で、それまで手を組んではいながらも、任務のためなので積極的に相方を助けようとしなかったソロが、結構危険な目に遭いながらもイリヤの救出に走る。そのきっかけは、イリヤが「父親からもらった時計」に対して見せた執着で、ここを境にイリヤはより人間臭くなっていくし、二人のバディ感も高くなっていく。その大きく心変わりするきっかけの場面で、セリフは一切なく、SEさえなく、ただBGMと画だけで行われる演出は、流石にいいなぁと思いました。むしろこういう演出が好きなのです。しっかりとした基本に、少し奇をてらった演出に。

 ただ、残念なところもそれなりにあります。
 時間をちょっと巻き戻して種明かしをするような演出が何度か挟まれてましたが、前半は良かったけど、後半、特に最後の作戦の場面だと、種明かしまでの時間が短くてあまり効果がないかな。あとは、その最後の作戦があまりにもあっさりとしすぎていて、特に盛り上がった気にならなかったのが寂しかった。

 まあ、とは言え見てて楽しい映画だとは思いますよ。女子小学生も満足ではないでしょうか。

ザ・キューブ ファイナルトラップ

ザ・キューブ ファイナルトラップ

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「ザ・キューブ ファイナルトラップ」

【ストーリー】
謎の立方体に閉じ込められた女性が、頭脳を駆使して命懸けの戦いを繰り広げるサスペンススリラー。女が目覚めると、そこは謎の立方体。タイムリミットは24時間。空間内に散りばめられたわずかなヒントを頼りに、彼女は脱出への答えを導き出していく。


みんしーやん的評価:
D+

 「CUBE」という作品が世の中にはあります。
 まあこれは有名なので、少し映画を見ている人なら誰でも知ってますし、そうでない人も名前くらいなら聞いたことがあるでしょう。
 恐るべき低予算で作られながら、先を読ませない展開と、徐々に露呈していく人間の醜さが相まって、非常に楽しめる作品であります。
 興味があれば、ぜひご覧頂きたい。

 ……と、言いたいところですが、この作品には多くの「亜種」があります。
 いや、亜種っていうかまあ、「パチモン」ですけどね。それも、本編は全くCUBEを意識していないにもかかわらず、邦題だけ見事にパチった作品があるのです、
 こういったものに騙されないよう、ここで幾つか列挙していきましょう。

CUBE IQ
CUBE IQ
原題は「THE GAME ROOM(ゲームルーム)」。
シェルターに閉じ込められてさあ大変、という話らしい

CUBE NEXT
CUBE NEXT
原題は「INTELLECTUAL PROPERTY(知的財産)」
「キューブ」なるものを発明した博士がさあ大変、という話らしい

CUBE ハザードX
CUBE ハザードX
原題は「BANE(破滅の元)」
実験棟に隔離された女の子たちがさあ大変、という話らしい

QUBE ●RED
QUBE RED
原題は「La habitacion de Fermat(フェルマトからの招待状)」
色んな課題を出されてさあ大変、という話らしい
ちなみに「RED」としてあるあたり、「REC」への意識もかいま見える。

 まあそんなパチモノ揃いのCUBEですが、本編と呼ばれるものは3作しかありません
 うち、2は正直何をしたいのかわからないので見る必要はないですし、0は何をしたいのかはわかるけど、まあそこまで大層なものでもないのでこれも見たくていいです。
 1だけ見ればいいですよ!

CUBE
 このパッケージの映画だけ借りれば大丈夫です!


 さて、そんな「パチモノ邦題大集合」のフラッグシップ的存在となっているCUBEですが(仲間には「SAW」「アンダーワールド」「パラノーマル・アクティビティ」等)、果たしてこの「ザ・キューブ ファイナル・トラップ 」はどうかな!? ってところが気になるところですね。ドキドキしながらレンタルしました。
 嘘です。ドキドキなんてしてません。100%パチモノだと知ってて借りました
 そもそもさー、この手のパチモノ邦題大集合にお決まりの批判として「間違えて借りようとする人を騙そうとするから卑劣だ」っていうのがあるじゃないですかー。でもそれってさー、「騙される人がいる」から卑劣だと思うんすよー。誰が騙されるかっての、こんな見えてる上に旗まで立ててアピールしてる地雷。結局これに騙される人って「CUBEは名前しか知らないし、そもそも映画もあまり見たいけど、流行ってるみたいだから一応借りてみよう」っていう、かなりニッチなところに絞られるじゃないですか。そうじゃなかったら、こんな地雷踏むわけがないんですよ。多少でも映画に明るい人だったら「いやいやおかしい」ってなるでしょうよ。だってパッケージ見てよ、「トランスフォーマー」って書いてあるんだぜ
 確かに、配給会社は騙そうとして必死かもしれませんよ。でもそれって、田舎のお年寄りに「都会では戦争が起きてて日本は滅ぶから、これをかぶると命は助かるよ」ってヘルメットを売りつけるようなものでしょ。お年寄りとはいえそんな話に騙されるわけがないし、そんなミラクル級の代償がヘルメットで済むなら、そんな安いものはないですよ。
 もしこれを、本当にCUBEの関連作だと思って借りる善男善女の方がいるとしたら、それはもう授業料みたいなものだと思って気持よく払っておいて、次からは、自分の脳味噌でものを考えて、映画を選ぶといいと思いますよ。
 Amazonのレビューでも「騙されました」とか書いてる奴がいるけど、こんなの騙されるくらいなら世の中もっと狡猾なトラップはいっぱいあるから、今のうちにどうにかなっておいた方が幸せなんじゃないですかね。むしろ、お前がいなくなることで、周りの人が須く幸せになるんですよ
 ねぇ! ねえってば!

 さてさて。小ネタも終わったところで、この映画の評価をしますね。

 ひどい。

 いやいや、別にCUBEっぽくないからひどいってわけじゃないんですよ。
 サスペンス的な部分はそれなりに頑張っていたと思います。突然部屋(パッケージでは「謎の立方体」と書いてありましたが、部屋です)に連れ込まれた女性が、その場にあるものでなんとか脱出を試みようとするお話。何故ここに連れ込まれたのかもわからないまま、ブラウン管のテレビに映される情報だの、隣の部屋に監禁されている知り合いだの、1月13日の話だの、謎が謎を呼ぶ展開ではあります。結構そこの膨らませ方は上手くて、そして犯人たちも「そんなに悪そうに見えない」という、違和感を内包しつつ、じゃあ一体どんな結末なんだ、って思うじゃないですか。

 ネタバレを恐れずに書きますよ(一応配慮の改行)

 なんと、主人公は致死的なウイルスに感染されていて、その上時限的な記憶喪失にかかっているので、ショック療法で手荒に治療を施しながら記憶が甦るように何度も同じことをしていたんですって!
 この結論が気持ちよくない。
 まず、サスペンスな体をなしているのに最後が「とても優しい世界」では、肩透かしというかずっこけもいいところ。それは、サスペンスを見たくてこれを手にとった人にとっては何も気持ちよくがない。もっと、事件の真相だの、犯人の結末だの、もっと言えばこの主人公がどうやって脱出をするのか、そのプロセスだのを見たかったわけですよ。こんなぬるい結論に辿り着きたかったわけではないのです。
 例えるなら、よしもと新喜劇の最後の「一件落着」みたいなもんですよ。結局みんな幸せでした、よかったねーと。そうなると、最後にもう一度部屋に投げ込まれるシーンが挟まれるのも、幕が閉まるきっかけの「最後のギャグ」みたいな感じで、非常に萎えます。
 そして結論から遡ると、途中の展開も、全く意外ではなかったという、逆算的に過去もダメにしてしまう展開です。犯人が悪そうに見えないのもそうでしょう、だって悪くないんだもん。
 どんな風に期待を裏切ってくれるんだろうと思った観客の、まさに予想の斜め下とはこの事

 結局、オチの弱さによって、全てが台無しになってしまった。そんな映画ではないでしょうか。

 ちなみに、原題は「Riddle Room」となっているのですが、結局「Riddle」もほとんどないからね……。

ビギニング

ビギニング

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「ビギニング」

【ストーリー】
運転中に突如、視界が激しい光に包まれ致命的な事故に遭ったデヴィッド。帰宅しない父を心配し、娘のアニーが探し回ると、森の入り口で呆然と立ち尽くすデヴィッドを発見する。血だらけの洋服とは反対に、その姿はかすり傷さえなかった。さらに病院の検査で、生前の妻に移植したはずの腎臓が、正常に戻っていることが判明。驚くべき事実を確かめるため、デヴィッドは義足のザックを連れ、再び事故現場の森へ入る。そこには、異様な光を放つ謎の物体が落ちていた。物体から伸びる触手に触れたザックは、その後、無くなった足が再生し始めるのだった。科学の常識を覆す驚愕の真実に辿り着き、謎の物体の極秘調査を進めてきた政府は、デヴィッドとザックの不可解な事態を嗅ぎつけ彼らの家に押し入るのだった。この時、デヴィッドの目の前で、想像を絶する事態が始まろうとしていた―。


みんしーやん的評価:
B-

 ジャンルとしては「SFを絡めた戦争危機もの」といった感じでしょうか。
 世界が戦争に向けて進んでいく、廃退的な雰囲気はよく出ていたと思います。戦争によって体が欠損した人々が話の中心に出てくるのですが、結構容赦なく欠損していて、戦争をリアルな感じに伝えるのには一役買っていたと思います。その退役軍人が、戦争反対を訴えて市民レベルで冷遇されるあたりも、なかなかに描けていたのではないでしょうか。
 ただ、その描写と、ほとんど創造主に近いくらいチートな性能を持った「謎の物体」があまりうまく絡んでいなかった気がします。
 体の欠損すら再生される「謎の物体」を手にすることで、無敵の軍隊を作ろうとする人が出てくるのは、まあ自然だと思います。でも、はじめに「謎の物体」に触れたお父さんが、何故その物体を確保しようとするのかが、いまいち動機が掴めなかったかな。あとは、せっかくいい感じで戦争の雰囲気を出せてるのに、その戦争と物体がそんなに関連しない
 一応、その物体の力で、破滅した世界を二人の人間が生き残ることができるわけで、そういう意味では、世界を破壊するための装置として戦争があり、それから守るための「物体」なのかな。
 雰囲気は非常によく出ていたし、再生時の描写も(予算規模の割には)頑張っているように思います。ただそれらが上手く関連付けられず、一つの映画としてはちぐはぐな印象が拭えませんでした。

 まあでも、ちゃんと作ろうという意志のある映画だと思いますよ。ちゃんと作りなおしたらもっと面白くなる気はします。

ヴィジット

ヴィジット

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「ヴィジット」

【ストーリー】
休暇を過ごすため田舎にある母方の祖父母の家を訪れた姉弟は、優しく穏やかな二人に歓迎されるが、三つの奇妙な約束を伝えられる。楽しい時間を過ごす、好きなものは遠慮なく食べる、そして夜9時半以降は部屋から出てはいけないという内容だった。しかし、夜に変な気配を察知し起きてしまった姉弟は、恐怖のあまり約束を破ってドアを開けてしまい……。


みんしーやん的評価:
A

 おばあちゃんこわいよ……( ´;ω;`)

 そんなこんなで、ナイト・M・シャマランのスリラー映画ですよ。

 「『シックスセンス』以来のヒット作!」的な扱いの本作。シックス・センス以降、ヒット作に恵まれたなかったというスタンスでも評価されているシャマランですが、皆様シャマランを誤解していると思うのですよ
 彼は「誰も思いつかないような特異で練りこまれた脚本」のストロングスタイルな作家ではないのです。シックスセンスのヒットで多分に誤解されておりますが。彼の本分は「なんでもないシーンをさもなにか有りげにおどろどろしく描くこと」であり、脚本の監督ではなく、演出の監督なのです。
 そういう意味で、彼の傑作は「シックスセンス」ではなく「サイン」であると思います。「サイン」の、要は「宇宙人が出ましたさあ大変」ってだけの話ですが、その非常にB級臭いテーマを、そうとは思えない演出で描ききり、見終わった後「なにか良い物を見た」気持ちになる。「ハプニング」なんかも、非常に気持ち悪い描き方をしてますしね。

 んで今回のヴィジット。
 あのね、おばあちゃんが本当に怖いの。
 別におばあちゃんは幽霊でも悪魔でもないし、ちょっとおかしいだけおばあちゃんですが、その描き方がものすごくホラーチックなのですよ。
 1階でゲロゲロやりながら歩いているところなんて、まるっきり悪魔憑きですからね。
 ただここが良いなあと思うのが、そのおばあちゃんの奇行が何度も描かれるのですよ。途中おばあちゃんが認知症だという話もあり、見る方もおばあちゃんの奇行をただの症状だと思う。そのおばあちゃんの奇行が隠しカメラに映される。いつものことだと思っていると、突然その隠しカメラに向かって絶叫するというね。
 正直このシーンが怖すぎて、しばらくまともに画面が見れませんでした……。
 ホラー映画の基本に「物音を立てずに突然現れる」というのがありますが、その新しい一つの形ではないでしょうか。鏡を使ったお馴染みのギミックのように、唐突に恐怖の存在が現れるわけではありません。ありませんが、その瞬間に、認知症のおばあさんではなく、ホラーの対象としての存在が「突然」現れるわけです。以降、おばあちゃんはただの認知症と患者ではなく、明らかに観客と、子どもたちを威嚇する存在になっていくのです。この切り返しは、さすがだと思いました。っていうか、しばらく怖かったです。

 まあ、本来シャマランはこういう気持ちの悪い演出をするのが得意なサイドの監督なのですよ。
 そういう見方で見ると、過去の作品も決してがっかりなどではない、この監督らしさが出ている作品がたくさんあると思いますよ。

 あ、エアベンダーは見なくてもいいと思います。

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

 映画を見て参りました。
 見た映画は「シン・ゴジラ」



【ストーリー】
東京湾で大量の水蒸気が噴出するという現象が起き、同時に海底を通る東京湾アクアラインでもトンネル崩落事故が発生する。これを受けて政府では緊急会議が開かれ、事故の原因を海底火山や熱水噴出孔として対応を進める。その際、ネットの動画で海上に出た何者かの影をみていた矢口蘭堂内閣官房副長官は、未知の巨大生物が海底に潜んでいるのではないかと疑問を呈するが、証拠もなく一笑に付される。しかし間もなくして巨大生物が海上に現れ、多摩川河口から呑川へと這いずるようにして移動、さらに大田区蒲田に上陸し北上をはじめる。


みんしーやん的評価:
B-

 シン・ゴジラの監督が庵野秀明に決まった時、世間的には「やった! この人に任せておけば安心だ!」みたいな空気が確かにあったわけですが、正直その時から「いや、この人肝心なときにずっこける人だぜ?」と思ったものです。つい最近エヴァを見なおして思いました。あと真作ってなかったしね

 まあそれはいいとして。

 他のレビューでも色々言われていることですが、正直これは「怪獣映画」ではないですよね。
 災害映画、いわゆるディザスター・ムービーというやつです。
 そういう意味では、映画のジャンルの傾向として近いのは、「2012」だったのではないかと思います。
 「2012」は未見ですが、物語を語るラインとしてはその辺りが近かったと思います。
 とは言え、「ゴジラ」の名を冠した上に、実際我々のよく知る形状のゴジラが出てくるわけですから、やはりこれは怪獣映画であり、ゴジラ映画でもあるわけですよ。というか、誰かが「いやいや、怪獣映画じゃないですよ、何勘違いしてるんすかプークスクス」くらいに言ったところで、「しらねぇよ、ゴジラ出てんだろうが!」というのは明白な事実であるし、「そもそもなんでお前が映画のジャンルを決めてるんだよ、映画のジャンルを決める担当の神かよ」ってなるので、災害映画としても、怪獣映画としても、そしてゴジラ映画としても、色々言っていこうと思います。

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