ヘイトフル・エイト

ヘイトフル・エイト

 映画を見て参りました。
 見た映画は「ヘイトフル・エイト」



【ストーリー】
雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブ(デミアン・ビチル)や怪しげな絞首刑執行人オズワルド(ティム・ロス)などの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。


みんしーやん的評価:
A

 いやまあ、映画としては面白いと思うのですけどね。
 その周囲のあれやこれやを含めたら、非常によろしくない映画体験が満載だったので、あまり気持ちがよいという感じがしなかったのです。
 なので、今回は映画の評価とは別に、個人の愚痴のようなものが多分に含まれますので、そういったところも「わかるわかるー」と共有しながら見ていただければいいかなと。
 単純に映画の評価から言えば、昔のタランティーノ作品みたいで楽しかったです。それこそ、「レザボア・ドッグス」とか「デス・プルーフ」みたいに、大掛かりなどんでん返しで物語的なカタルシスを覚えるよりかは、主に繰り広げられる会話の悪辣さやセンスの良さに入り浸るような、そういう楽しみ方がよいと思います。
 そう言う意味では、明確な「目的」のない映画なので、人は選ぶのではないかと思います。

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ザ・ガンマン

ザ・ガンマン

 映画を見て参りました。
 見た映画は「ザ・ガンマン」



【ストーリー】
元特殊部隊のすご腕暗殺者ジム(ショーン・ペン)はアフリカ・コンゴ民主共和国で鉱山利権が絡む極秘の暗殺任務をやり遂げ、全てを捨て身を潜めるように生きていた。しかし数年後、突然何者かによってターゲットにされた彼は、暗殺作戦に関わった仲間たちが殺害されていることを知る。敵の正体を突き止めるため、再び銃を手にするジムだったが……。


みんしーやん的評価:
B-

 ふと思い立って「映画を見に行こう」となった時、何を基準に見る映画を決めるか、って話があるじゃないですか。見に行く時間と、その時公開している映画にあたりを付けたりするわけですよ。そうすると案外選択肢は限られるわけです。
 じゃあそのときにはどんな選択肢があったかというと、「オデッセイ」とか「ザ・ウォーク」とかあるわけですよ。世間評とかはなるべく入れないようにしているのでそっちは分かりませんが、少なくとも映画館はこいつらをもっと推したいわけですよ。
 ところが天邪鬼であるところのこの私、感動を押し売りされるのが嫌だから、「オデッセイ」は却下。「ザ・ウォーク」は、高いところが苦手だし、そもそも何が面白いのかが前情報ではいまいち伝わらないというのもあって却下。
 その結果の選んだ映画がこの映画ですよ! どうですか、上記の2本と比べると、見るからに地味ではないですか!
 一応、ショーン・ペンが主役、「96時間」の監督作ということで、決してセールスポイントがないわけではないですが、パッと見地味に見えるわけですが、じっとスタッフやらキャストやらを見てみると、決して地味ではないことが分かります。
 ところがいざ見てみるとどうでしょう。
 結局地味だったというね!

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マーラとバイキングの神々

マーラとバイキングの神々

 不思議な方法で映画を見て参りました。
 見た映画は「マーラとバイキングの神々」

【ストーリー】
マーラは、心の奥から聞こえる奇妙な声に悩まされていた。「君は予言者だ。使命を果たせ」。不思議な力に導かれ、神々の世界に足を踏み入れたマーラ。そこで彼女は、洞窟に幽閉されている半神ロキと出逢う。ロキは、炎の邪神ローゲにさらわれた妻のシギュンを取り戻す使命をマーラに託した。果たせなければ、この世は終末の日《ラグナロク》を迎える。マーラは北欧神話の専門家ヴァイシンガー教授と共に、世界を救うため、火の山に住むローゲに戦いを挑むが…。


みんしーやん的評価:
B+

 ところでみなさん、「アルバトロス・フィルム」と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょう?
 とある都市の主要駅で100人に聞きました。
 「信用ならないB級映画の制作会社!」
 さあ答えはあるか!?
 あるあるあるある!

 うるせぇバカ!!!

 失礼、記憶の奥底で、昔は気づかなかったバラエティの下品な演出を思い出してイライラしました。っていうか、バラエティの品位が落ちてるとか言ってる人がいますが、往時から倫理観なんてものはなかったわけですよ。
 でまあ、倫理観がなんというのであればアルバトロスという会社も一緒なわけですけれどね(話が繋がった)
 アルバトロスといえば、多数のB級映画を販売している日本の配給会社として有名です。 「アルバトロス=B級パニックホラー」の図式は今や動かしがたいものがあり、やけにCG感丸出しのパッケージだなぁと思って裏面を見てみれば、Aに鳥がかぶってるロゴが書いてあるなんてことは、日常茶飯事なわけです。それならまだしも、気になってレンタルしてみた映画の予告編で、このロゴがでてきたり、あとパチンコ玉みたいな銀の球に「PW」って赤字が印字された、やっすいロゴが表示されたりすると、「しまったこれプライムウェーブだ!」とがっかりするとともに、向こう90分を無為に過ごすことを強いられるわけです。
 そんなイメージがすっかり定着し、そしてそれを払拭しないどころか、メリットくらいに思っている(じゃなかったら「あのアサイラムが」みたいな宣伝文句は使わない)アルバトロスさんですが、別にアルバトロスさんもがっかりする映画ばかりを売っているわけではありません。あ、いや、誤差の範囲ではありますけど。

 そんな誤差の一本が、この映画です(長い前置き)。
 ストーリーは奥ゆかしいジュブナイルもの。いじめられっ子で内気な女の子が、不思議な力を身に着けて、その力におぼれ後悔しながらも、世界を救うために冒険する。世界は救われ、少女は成長する。めでたしめでたし。
 ストーリー自体にそれほど意外性はないけれども、それ故に安心できる造りです。この手のいわゆる王道的なストーリーは、やはり普遍性があるから受け入れられているのだなぁと思います。
 何も目新しいことをするだけがクリエイティビティじゃないのですよ。類型的なものをしっかりと描き切ることだって素晴らしいことなんですよ。
 悪いやつがやられて、みんなが幸せになる。ついでにいじめっ子もいじめられっ子も自分を見つめ直し、これぞといった感じでハッピーエンドな話です。

 まあ、さっき言ったみたいに類型的な話でありますので、あえて見る必要はないかな、とは思いますが、ふと目にする機会があれば見ていただければ、とりあえず損することはない一本だと思います。

 ただ、納得いかない点が数点ありまして。
 まず、これはドイツの映画なんだから、字幕の訳も「雷神ソー」じゃなくて「雷神トール」でいいのではないかと。実際中の人たちは「トール」と発音していたし、日本では「トール」の方が通りがいいはずなので、ここは「トール」と訳すべきだと思うのですよね。明らかに「マイティ・ソー」に引っ張られすぎ
 あとは邦題の「バイキングの神々」ですが、まあ間違いじゃないんですけど、これも正しくはないと思うんですよね。別段北欧神話はバイキングのみに信仰されていたものでもないし、仮にそうだとしても、神々は「トール」とロキとロキの奥さんだけなので、「神々」というのは少し違う気がします。そもそも、原題は「Mara and the Firebringer」で、「Firebringer」は「火をもたらすもの」程度の意味なので、物語的には合致していても邦題とはかけ離れているように思われるのですが。意訳というよりは、やはり「マイティ・ソー」に引っ張られた感じかなと。

 あと、映画とは直接関係ないですけど、とある「タイトルでググったら上位のほうに来る『感想サイト』」では「マイティ・ソーでの腐女子人気を考慮してロキを味方にした」と断じておりましたが、いやいや、ドイツの映画だから日本の腐女子関係ないじゃん。
 本当にもう、こういう人は、頭蓋を切開して、脳を取り出して代わりにメロンパンでも入れておいた方が、世の中の役に立つんじゃないかなと思います。害悪にならないという意味で

 あと、これは本当に映画とも全く無関係だし、しょうがないことなんですけれども、ミルニョルみたいな、打出の小槌的な柄の短い小さなハンマーって、武器としては非常に格好悪いと思うのですが……。

「アンダーワールド」&「アンダーワールド:エボリューション」

アンダーワールド アンダーワールド:エボリューション

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「アンダーワールド」そして「アンダーワールド:エボリューション」
 元々は一つの作品ということで、一つのものとして扱っていきたいと思います(同じようなことを2回書くのが面倒になったわけではない)。

【ストーリー】
「アンダーワールド」
ビルの屋上から楽々と地上に降り立つ一人の美女。彼女の正体は吸血鬼<ヴァンパイア>の女戦士セリーン。ある時、彼女はヴァンパイアの宿敵、狼男族<ライカン>が人間の青年医師マイケルを追いかけていることに気づく。不審に思ったセリーンはマイケルの行動を追跡。そして、彼に直接尋問している最中、ライカンたちに急襲される。セリーンはとっさにマイケルを助けて逃走するが、その直前、マイケルはライカンのリーダー、ルシアンに肩を咬まれてしまう。それは、マイケルがほどなくライカンになることを意味するのだった…。

「アンダーワールド:エボリューション」
ヴァンパイアとライカン(狼男族)の種族の存亡を賭けた死闘が繰り広げられてきた闇の世界の女戦士セリーン(ケイト・ベッキンセイル)は、両種族の創世にまつわる自らに秘められた過酷な運命を知る。己の血族であるヴァンパイアに裏切られたセリーンは、複雑な想いの中、闇の世界“アンダーワールド”への復讐を誓うが……。




みんしーやん的評価:
A

 個人的には「無印」のアンダーワールドは、世界一かっこいい映画のポスターの一つだと思います。月をバックに、美人さんが銃を持ち、コートを翻して立っている。もう最高じゃないですか!
 ポスターのみならず、映画全体で中二心を全力でくすぐるビジュアルと設定が満載です。
 そのスタイリッシュさで、特に日本のB級ビデオ映画界では「雨後のアンダーワールド」と言っても差し支えのない、「どこかアンダーワールド」っぽいパッケージの作品が現れました。
 いくつか挙げていきましょう。

・アンダーワールド ラストセクト
アンダーワールド ラスト・セクト
よく似た感じ

・アンダーワールド ライジング
アンダーワールド ライジング
面影しかない

・アンダーブラッド
アンダーブラッド
可愛く……ない?

・ダークワールド ザ・レボリューション
ダークワールド ザ・レボリューション
あふれ出るCG感

・ダークブレイド
ダークブレイド
やりたいことは、まあわかる

 雰囲気はなんとなく似てますが、一見しただけで「ああ違うな!」というのが分かりますね。それだけ、本作の影響力が強いということです。

 ちなみに、こんな作品もあります。これは本編からしてアンダーワールドマッドマックスロード・オブ・ザ・リングを足して割ってない作品なので、パッケージ詐欺ではない。一応パッケージ通りのことが起きている。
ドゥームスデイ



 さて、これだけ影響の強い本作ですが、どんなところが魅力なのでしょうか。箇条書きにしてみたいと思います。

●バンパイアと狼男が銃を乱射しながら戦う。
 バンパイアと狼男の戦いが、銃撃戦ですぜ。しかもそれが紫外線弾硝酸銀弾というのだから、これは理にかなった上に、実にSF要素満載のギミックなわけです。
 またバンパイア=不老不死を活かして、何百年も前の因縁を絡めてくるというのも、はったりが効いていて良いです。

●美人がロングコートとキャットスーツで戦う。
 ケイト・ベッキンセイルが図抜けて美人さんであることもあり、キャットスーツ姿が非常に良く映えます。平時は基本キャットスーツのみで行動しているのに、戦闘する際はロングコートを着るというのもよく分かっている感。キャットスーツの光沢も最高ですし、静かなシーンで、身じろぎした際にギチギチとレザーの軋む音がするのも、非常にフェティッシュでよいです。

●セリーンの吹き替えは田中敦子
 またツボを押さえたことに、吹き替えはセリーンの声が田中敦子。全く違和感がないのは、すっかり慣らされてしまっているからでしょうか。もういつプロジェクトを白紙にすると言い出してもおかしくない。恐ろしい人です。嘘です。

 何度も言いますが、ケイト・ベッキンセイルが本当に美人さん。こんな人がロングコートとか着て戦うとか、盛り上がらないほうがおかしい。戦闘シーンも映えるし、静かなシーンでも存在感があります。逆を言えば、他の登場人物の存在感があまりないわけですけれども。

 ストーリーの粗はないわけではないし、なんなら結構大きいけれども、上のビジュアルと中二設定一発ですべてカバーしていると言っても過言ではないでしょう。

 本来一つになるはずだった物語を分割したことには、利点と欠点がそれぞれあると思います。
 まず、中盤の見せ場に据えられていた「ビクターとの対決」が、「無印」のラストに持ってこられたために、「無印」での「中盤の見せ場」そして「最後の見せ場」が弱くなってしまった。そして途中から登場し、元々話の推進力を持っていた「マイケルの正体」には何の関係もないビクターを大ボスとしてしまったがために、彼を倒したことで何かが解決した感じがしない。ここで倒されるべきボスは、本来なら黒幕であるクレイブンだったのでしょうが、それではアクション映画としては盛り上がらない。
 利点は、「マーカスとウィリアムの話」を分割できたことで、少なくとも「エボリューション」については話をきれいにまとめられたこと。そして、「無印」から物理的に時間が空くことで、セリーンとマイケルの親交具合が自然に進んでいるように見えたことでしょうか。
 逆に、本来の想定通り一作品にぎゅうぎゅうに詰め込んでいたら、話が散らかってよく分からない映画になっていたでしょう。分割したことで「無印」の話は多少歪にはなりましたが、一応話に起伏はあるし、何よりアクションを見せることが主眼なので、ストーリーは多少薄くてもカバーできる、というのも功を奏した感じでしょうか。

 一つの作品としては決して完璧なものではありませんが、この作品においては「セリーンがかっこいい」という一点が欠点をすべて上回っているが故に、面白いわけです。
 セリーンの出てこないエピソード0的なビギンズはその点で評価が曇る(ついでに言えばSF要素もなくなっている)わけです。
 セリーンが出ているはずの「覚醒」は、セリーンでは覆い切れないほど欠点が大きかった。欠点というか、「蛇足感」というのでしょうか。

 まあまあ、でも本当、セリーンのこのビジュアルは最高に格好良いですよ。セリーンだけで100点あげてもよい

メランコリア

メランコリア

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「メランコリア」

【ストーリー】
巨大惑星メランコリアが地球に接近する中、ジャスティン(キルステン・ダンスト)は盛大な披露宴を催す。姉クレア(シャルロット・ゲンズブール)の夫(キーファー・サザーランド)が所有する豪勢な屋敷での宴は盛況だったが、花嫁のジャスティンはどこか空虚な表情だった。披露宴を取り仕切った姉夫婦はそんな妹を気遣うが……。




みんしーやん的評価:
A++

 何年か前に友人の結婚式がありまして、その二次会で主賓に2時間ほど待たされるという事件がありまして。そのとき周囲の人間に酔っぱらったみんさんがしつこいくらい「披露宴で二時間待たされる映画があるんだ」と言い続けて顰蹙を買ったことで有名な映画が、こちらでございます。

 オールタイムベストの一本でございますよ
 もちろん、万民が観て幸せになれる映画ではないけれども、少なくとも私はこれを見て、「幸せ」ではないかもしれないけど、満たされた気分にはなります。つらい時、苦しい時、そして、「今気持ちがプラスに傾いて、それを受け入れているな」と思ったときに、意識して観るようにしています。そして心を落ち着かせたり、浮ついた心を引き締めたりしているわけです。
 これはネガティブな人間が満たされる、ネガティブクスプロイテーション映画と言ってもいいでしょう(もちろん監督にそんなつもりはないでしょうけど)

 しかしながら、前半部は大変厳しいです
 「ジャスティン」の名を冠した第一部。おそらく、普通の人であれば幸せの象徴であるかのような、ジャスティンの結婚披露宴が舞台。結婚式というシチュエーション自体が、多分多くの人には喜ばしいことなんでしょうけれども、ジャスティンにとってはそうではない。どんなに繕って幸せそうにしてても、心の憶測にある虚無感には抗えず、感情を抑制できずに暴走してしまう。
 そして多分、基本ネガティブであり、ジャスティンに感情移入しまくってる私も、そのシチュエーションと、それをつらいと思っているジャスティンに理解を示さない周囲の人間が憎くてしょうがない。
 大好きな映画だけど、この前半部はできれば見たくないのです
 披露宴という、世の中では「プラス」と解釈されていることを、特に何の呵責もなく無条件に信じ切って、それが正しいのどうかも考えることなく、正しいかどうかを考える人間を、ただただ自分一人の思い込みを押し付けて否定する。
 その奥底にあるのが「幸せ」であること、もっと言えば「前向き」「ポジティブ」であることを肯定的にとらえ、それを否定することすら許さず、絶対的な善として扱われる。
 でも、本当に「幸せ」であること「前向き」「ポジティブ」であることって、いいことなんですかね?
 ネガティブであることだってそんなに悪くはないはずですよ。人類が生まれてから何年経ち、あと何年生きるとしたって、それは壮大な宇宙の歴史から見れば一過性なものでしかないわけで、その中の一人の寿命や、その人が子孫に受け継げるものなんて本当に誤差の範囲ですらないわけですよ。そんなものを「よりよく」生きるため、小さな人生を必死になって生きるのって、非常にばかばかしいと思いませんかね? 「幸せ」なんて不確かなものに必死になることなく、思った感情を素直に受け入れるべきだと思うんですよね。もちろん、素直にやった結果が「幸せ」「前向き」「ポジティブ」への執着なのであれば、それはその人のことなので、私は生易しく見守るくらいしかできないわけですが。まあ「幸せ」「前向き」「ポジティブ」なんてものは絶対的なものではなく、もしそれを絶対というのであれば、私の価値観が「絶対」と主張することにだって理解を認めてほしいわけですよ。
 腹が立つのは、世で「色々な考え方を認めなきゃいけない」とか言ってる人ほど、上記の感情に支配されている気がするのですよ。
 この映画に関連することであれば、ラース・フォン・トリアー監督がした「ヒトラーに理解を示す」という発言に対し「思想の自由」を主張する方々が「好ましくない人間」として、人間性を否定することで抵抗した、というのが象徴的だと思うのですよ。
 自分(たち)の抱く価値観こそ絶対で否定することすら許されない善。それが「幸せ」「前向き」「ポジティブ」であると。
 非常にばかばかしいことだと思うんですよ。
 そんなものに固執して「前向きでいなければ」と神経をすり減らすか、すり減らしすぎて自由な感情を抱けないほど心が摩耗するくらいだったら、自分は「不幸」「後ろ向き」「ネガティブ」であることを積極的に受け入れたいとすら思うのです。
 閑話休題。
 というわけで、そんなネガティブ人間によってこの前半部は苦痛でしかないわけです。
 ただ、これはポジティブ人間にも好まれる展開ではないでしょう。彼らは彼らで、ジャスティンが目の前の幸せを「受け入れない」ことにいら立つでしょうから。
 誰にも好まれない、まさしく誰得。ただ、すごく大事なパートです。

 でそんな前半部も終わりを告げ、姉の「クレア」の名を冠する後半部に行くわけです。この後半部が夢のような展開になっております。
 後半部はどんなかといいますと、一転巨大惑星「メランコリア」が地球に近づき、衝突するかという、物静かなディザスタームービーに突入します。とはいえ、ディザスター感は皆無ですが。
 何が楽しいって、前半あれだけ「ポジティブ」側におり、ジャスティンに散々不愉快をため込んでいた人々が、世界の崩壊を前に右往左往しており、対照的にジャスティンとみんさんの「ネガティブ連合」は「本当にこんな邪悪な人間どもは滅べばいいのにな!」と思いながら生き生きし始める
 そしてついにメランコリアが衝突し、地球が崩壊するその瞬間「ポジティブ」代表クレアさんは、息子の手を放し自らの頭を抱え、「ネガティブ」代表ジャスティンさんは、甥っ子の手を握ったまま最期を迎える。そら見たことか、ポジティブな人間が何を言ったところで、世界が滅ぶ瞬間は自分だけなんだ、愛すべき子供のことすら手放し、そうして抱えた自分ですら守ることはできないんだ。
 この後半部で、「ポジティブ」側が持っていた欺瞞が浮き彫りにされ、そしてネガティブ側が穏やかにその瞬間を迎える。それで私は満たされるわけです。
 とはいえ「ネガティブ連合」だって何も世界の崩壊を望んでいるわけではないですよ。私だって死にたくないし、多分ジャスティンだって死にたくはない。それでも我々が満たされたのは、世界や人類が滅んでしまったことではなく、その滅びを受け入れることができたこと、その一点にあるのだと思うのです。

 まあ取り留めもないですが。
 基本気持ちがマイナスに向かっているみんさんは、マイナスに終局があるこの映画は、自分の向かいたいところに進んでいるので大変気持ちよいのです。逆に、プラスにしか意識が向かないポジティブさんは、マイナスに向かうこの映画は不愉快で仕方がないのでしょう。
 でも、であればこそ一度見てほしいという気持ちもあります。この映画を見て、ネガティブの「悪くなさ」を知ってくれたら、それは「悪くない」ことなんだと思います。
 人を選ぶ映画であることは間違いないと思いますが、それを差っ引いても、展開される絶望的な絵の美しさは一見の価値があります。そう、滅びは美しいのですよ。ポジティブである前半部にはなかった画ですけどね。
 お勧めですよ。



 ただ、すべての人間に勧められるわけではありません。
 例えば、とある実写版「進撃の巨人」の脚本を書いた人は、脚本がひどいと言っておりました。
 そりゃまあ、実写版「進撃の巨人」の脚本とは違いますからね。実写版「進撃の巨人」の脚本みたいに、明るく前向き作品ではないですから。でも実写版「進撃の巨人」の脚本とは違う良さがそこにもあるので、実写版「進撃の巨人」の脚本を書いた人は、実写版「進撃の巨人」の脚本とは違うことを理解して、実写版「進撃の巨人」の脚本ではないこの作品の脚本を評価しないと、実写版「進撃の巨人」の脚本以外の映画評の信憑性も失うことになると思うんですけどね。まあ、実写版「進撃の巨人」の脚本を書くような人なので、実写版「進撃の巨人」の脚本のような深淵で文化的なものじゃないと気に入らないんでしょうかね。何せ実写版「進撃の巨人」の脚本を書いてるくらいですし!
 ただ、実写版「進撃の巨人」の脚本を依頼されて、書いた結果実写版「進撃の巨人」の脚本が出来上がるような人に、脚本についてとやかく言われたくないなぁというのが偽らざる私の真実でしょう。だってあなた書いたの実写版「進撃の巨人」の脚本じゃない。

シグナル

シグナル

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「シグナル」

【ストーリー】
マサチューセッツ工科大学で学ぶニック(ブレントン・スウェイツ)とジョナス(ボー・ナップ)は、校内のパソコンをハッキングするノーマッドを名乗るハッカーの正体と居場所を探ることに。彼らはニックの恋人ヘイリー(オリヴィア・クック)も連れ、ノーマッドがいると思われるネバダへ向かう。GPSを駆使して正確な居場所を割り出すが、そこで何者かにさらわれてしまう。目覚めたニックは、自分が何かに感染したために政府の研究施設に隔離されことを施設研究員の男(ローレンス・フィッシュバーン)に教えてもらうが……。




みんしーやん的評価:
C

 よくわかりませんなー
 ある時を境に訪れた変化と、それに対する恐怖、そしてそれを能力として覚醒させるまでの流れ……ってのは、なんとなく分かります。ただ、描き方が抽象的且つ止め画で映えるような見せ方で撮ってるから、全体として何が起きているのかがいまいちわかりづらい。後半多用されるスローモーションも気になりますし、あとは、防護服を着た職員の無能っぷりがご都合主義過ぎて、非常にノイズになりました。
 能力覚醒パートはまあそれなりに盛り上がりはしますが、場面が少ないのと、見せ方がよくないのであまり気持ちよくはないです。

 って、これ「地球、最後の男」の監督だったのですね。あの映画も大概でしたが。「2001年宇宙の旅」の最後のシークエンスだけやりたかったんでしょうけど、表現方法が過度に難解であったが故に何を訴えたいのかがわからなかった。
 それを考えると、そっちよりは多少、わかりやすかったです。落ちも、どういうことになっているのか、わかりやすく説明されてましたしね。
 ただ、「だからどうした」ってなってしまうのが問題でしょう。
 結局お話を通して何を訴えたいのかがさっぱり見えてこないのが。どうにもこうにも。
「実は宇宙人の実験場でした」ってどんでん返しはまあいいとして、それを聞かされても気持ちよく騙された感じもしないし。
 こう、雰囲気をうまく演出しているんでしょうけれども、肝心の中身が見えないからそれほど感動も喚起されない感じですかね。
 全体的に盛り上がりに欠ける作品でした

 あと、ローレンス・フィッシュバーンはよかったです。この人も仕事選ばないなー。
 サミュエル・L・ジャクソンとローレンス・フィッシュバーンは、「名前も顔もよく知ってるしよく見るけど、面白い映画に出ている割合が五分くらい」な俳優の代表格ですな。ちなみにケヴィン・ベーコンはヒット率が高いです。ちなみに、ヒット率が低いのはダニー・トレホです。映画製作者の皆様は、もっと俳優さんの使い道を考えていただければと……。

ノック・オフ

ノック・オフ

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「ノック・オフ」

【ストーリー】
ジャンジャンジャジャン ジャンクロード
ヴァンヴァンヴァヴァン ヴァンヴァヴァンダム
ヴァン・ダムが香港で筋肉フィーバー WOW!
全身の毛穴で受け止めろ!





みんしーやん的評価:
B+

 昔ながらのアクション映画。
 格闘、射撃、格闘、爆発、射撃、格闘、爆発、爆発、爆発。
 そんなわかりやすさがたっぷり詰まった映画です。
 構えて観るのは少し大袈裟だけど、何かをしながら気楽に見るには十分です。
 何よりも、若いヴァン・ダムがよいです。単純に見てて恰好がよいですよね。このヴァン・ダムを見ていると、もっとメインストリームに乗ってもいい役者だと思うのですけどねぇ。「ソルジャー」とか「マキシマム」とかが邦題につく映画に配されるには、ちょっと惜しいと思います。だからこそ、「エクスペンダブルズ2」は光ってたと思うんだけどな。

 あと、木曜洋画劇場はこの映画のどこをチョイスして予告をつくっていたのかと……。なんでそんな場所をピックアップしてたんだ……。

白鯨との闘い

白鯨との闘い

 映画を見て参りました。
 見た映画は「白鯨との闘い」



【ストーリー】
1819年、エセックス号のクルーたちは鯨油を入手するためにアメリカ・マサチューセッツ州のナンタケット島を出港する。一等航海士オーウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)をはじめとする乗員たちは、太平洋沖4,800キロメートルの海域で白い化け物のようなマッコウクジラと遭遇。彼らは強大な敵を相手に必死で抵抗するものの船を沈没させられ……。





みんしーやん的評価:
C

 そんなわけで終了間際に見てまいりました。
 主演はクリス・ヘムズワース。マニアックな極一部の方には、「マイティ・ソー」のソー役で名前が通っている俳優さんですが、世間一般では「キャビン」の「戦士」役の人で有名なのかなと思います。そんなゾンビ一家に翻弄される大学生のアメフト選手役一般に名前が通ったクリス・ヘムズワースですが、今回は捕鯨船の一等航海士役です。

 かの「白鯨」のもととなった実話、を元にした映画です。多少ややこしいですね。
 「白鯨」は読んだことはないですが、あらすじは知っています。

『白鯨』のあらすじ
 男塾名物大海島巡り、二島目は青鬼島。そこにいた三海魔王の一人キャプテン鱏破布(エイハブ)。彼は白鯨を倒すため、一号生にシャチで訓練させたり、メスの鯨の張りぼてをけしかけたりするが、悉く作戦は失敗する。やがて白鯨を銛を突き立てるがそれを避けなかった。子鯨を守っていたのだ。攻撃を止めた一号生は頼りにならないと、自ら銛を持って突撃するエイハブの船を桃が壊し、海に投げ出されたエイハブは白鯨に食われるのだった。


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シャークネード エクストリーム・ミッション

シャークネード エクストリーム・ミッション

 DVDを見て参りました。
 見た映画は「シャークネード エクストリーム・ミッション」

【ストーリー】
三たび現れたシャークネードが、首都ワシントンに襲い掛かる。ホワイトハウスは崩落し、ワシントンは壊滅。その猛威はさらに勢いを増し、大西洋沿岸を包囲する。一方、フィンの妻エイプリルたちが訪れていたユニバーサル・スタジオ・フロリダにも大量のサメが押し寄せ、園内は地獄絵図と化していた。なんとかエイプリルの元に駆け付けたフィンだったが、かつてない最大級のシャークネードに呆然とする…。





みんしーやん的評価:
C

 一応シリーズはすべて観ております。いったい何をやってるんすかねわたくしは
 アルバトロスの方たちは「日本とアメリカで大ヒット」と、「若い女性に大ヒット中!」みたいな文言で宣伝しております、サメ映画界のブラックサンダーことシャークネードでございます。本作はその三作目になります。話題になったとは言え、あのアルバトロスさんが言ってることですから話半分に聞かなければなりません。っていうか、最近アルバトロスさんは予告で「あのアサイラム製作!」みたいに、アサイラムを一種のネームバリューと使っていますが、正直どうかと思います

 でまあ、三作目ですよ。ロスアンゼルス⇒ニューヨークときて、世界レベルの災害ですよ。「若い女性に大ヒット中」が事実なら、話の規模も予算も格段している感が目に見えております。
 ただまあなんていうんでしょうな、話はシリーズで最も大きいことをやってるのに、シリーズで最も退屈な作品になっております。
 たしかに、1作目の「サメを大量に巻き上げた巨大台風」というのがそもそも盛大な出鱈目なわけですが、少なくともそれは現実の価値観が通用する範囲での出鱈目だと思うわけですよ。
 例えば、サメがあれだけの高所から地面に落下しても平気で生きているとか、「おいおいそんなことあるかっ!」っつ突っ込みどころがあるわけです。
 ただ、あの積極的な捕食に関しては、アメリカ人は本気でサメって空中でも人を食いに来ると思ってると思うんですよね……。あらゆる種類のサメは人間を見かけたらいの一番に襲い掛かってくるくらいの、なんでしょう、一種の神話みたいなものを感じる。
 まあまあそれはいいとして。
 その現実に即した荒唐無稽さが1作目の魅力だったと思うんですよ。他のサメ映画、頭が三つあるとかに比べたら、よっぽど現実的でしょ?
 でも今回に関しては、今まで築き上げた荒唐無稽さの上に荒唐無稽を上塗りしたので、正直もうどうでもよくなってしまっている
「あんなに高いところから落ちてもサメは平気です!」「いやいやそんな馬鹿な!」
「サメの中に入ったら大気圏も突破できました!」「いやまあ、宇宙に行くサメなんだから、それくらいできるんじゃないですか?」
 ばかばかしいSF兵器も目白押しなのも冷めますな。結局「現実の延長線上のフィクション」ではなくて、「全く知らないところからやってきたフィクション」なのが冷める要因だと思います。

 んでまあ、この感覚何かに似てるなと思ったら、そうだ「マチェーテ・キルズ」だ! と思い至りましたとさ。あれも宇宙に行くし、途中からの話の訴求力のなさもそっくりだ!
 マチェーテは個人的に名作と言い切れる作品なのに、マチェーテ・キルズはその良さを全く活かされてないガッカリ作品ですよ。超強いじいさんが大暴れするところがマチェーテの良さだったはずなのに、あの意味不明のSFグッズは全くダニー・トレホに似合わない。まあ、ダニー・トレホは開発する側でしたけどね!(スパイキッズ観てないけど)

 まあそんなわけで。
 正直シリーズは1だけ見れば事足ります。ばかばかしさを笑うのがこの手の映画の醍醐味ですし、それだったら1だけで充分です。
 でも私は全部観ました。何やってるんだろうね僕は
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